旧作レ〇プ! 黒歴史と化した先輩──MacrossⅡLovers Againの魅力──

どうも、せんちゃんです。

今回はロードバイクから少し離れまして、以前から暖めてきた企画

『小生とマイナーロボットアニメ』シリーズを一つ。

突然ですが「ロボットアニメ」と聞いて何を思い浮かべますか? 恐らくガンダム、エヴァンゲリオン(原理主義者曰く『厳密に言うとあれはロボットアニメではない』)とか、最近映画公開で人気再燃のコードギアス、はたまたエウレカセブンか……

恐らく「マクロス」も一般的なロボットアニメの範疇に入るでしょう。

ここでメンタリズムのお時間、今あなたが思い浮かべたマクロスは

「マクロスF」ですね?

まぁ、当たり前です。シリーズの中で一番有名なのは放課後なんちゃらのミドリムシと、いて座午後九時云々のおばさん(失礼)が俺の翼だ!! なこの作品でしょう。パチンコもあったし……曲も売れたし……

マクロスシリーズで言えば「音の出る紙芝居」の初代マクロス、「セル画の最高峰」マクロス劇場版 愛、おぼえていますか?それから「伝説の五秒」のマクロスプラス、バサラしか印象に残らないマクロス7辺りは良作、おっと忘れてはいけない「小生的駄作」のマクロスΔがありましたね……

そんなちょっと聞いたらすぐ分かるような作品はこの際置いときましょう(Δ以外は小生も大好きですが)

というわけで記念すべき第一回はコレ、

MacrossⅡ──Lovers Again──

果てしない黒歴史……面白いのに……

なんだかんだ黒歴史と化してしまっているこれです。

は? マクロスにⅡとかねぇから! おめぇの席ねぇから! と思った皆さん、それが正しい反応です。逆に「Δの元ネタはあれなんや! 」とか豪語するノイジーヲタクマイノリティーなんか無視して当然です。公式でも長らく黒歴史だったし……

作品概要

1992年にOVAの形で製作された今作、原作のスタジオぬえは関与していないものの、オリジナルスタッフも数人残って作られてます。個人的には大張正己御大が参加していることがデカいな、と思います。

全部で6話の構成、事実上の前作である初代マクロスの三要素である「恋愛」「可変戦闘機」「三角関係」を引き継ぎつつ、まったく違うものになっています。だから黒歴史になったのでは……?

扱いは不遇なものの、セールスはいたって好調、しかし前作といまいち整合性が取れていなかったことから後のシリーズの流れが生まれた、という点では記念碑的? なんじゃないでしょうか。

あらすじ

地球人とゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊との決戦後、和解した地球人とゼントラーディ人は共存の道を歩み始めた。それからも地球は幾度と無く異星人の脅威にさらされたが、そのたびに可変戦闘機と歌の力で切り抜けてきた。そして、80年の月日が流れた。

2090年代[21]。太陽系の木星軌道上へ、異星人とおぼしき未確認艦隊がデフォールドする。地球統合軍は敵をはぐれゼントラーディ艦隊と認識し、歌によるカルチャーショックを与えるべく「オペレーションミンメイ(「ミンメイディフェンス」)で迎え撃つ。それは序盤こそ効果を発揮するが、途中から敵艦隊も歌を発したことによって形勢は逆転していく。まもなく、激しさを増した敵の攻撃によってミンメイディフェンスを崩された統合軍は敗北する。

その戦場を取材中だったテレビレポーターの神崎ヒビキは、統合軍の攻撃によって轟沈寸前だった敵艦内から歌巫女のイシュタルを救出し、地球へ連れて帰る。また、ヒビキは戦場の記録映像も持ち帰るが検閲に遭い、統合軍が勝利したかのように報道される。その後、イシュタルは地球の郊外にそびえ立つマクロスのことを伝説に残るアルスの船ではないかと考え、ヒビキは敵艦に捕らわれた際に新たな敵のマルドゥーク軍が戦いの歌によってゼントラーディ兵を服従させてきたことを知る。敵艦から逃れたヒビキが統合軍の女性パイロットのシルビー・ジーナとともに奔走する一方、地球の文化に触れたイシュタルは戦いを止めるべく、戦場へ愛の歌を捧げる。

──Wikipediaより──

ストーリーの魅力

まず、主人公を戦闘用バルキリーのパイロットに据えなかった点が印象的、主に戦闘シーンで戦うのはヒロインのシルビー、彼女の率いる小隊員、そして同僚のネックスだったりと主人公が前線に巻き込まれていながらも、自らが出て行って戦争をすることがなかった、これによって主人公の立場が前作とは全く違うものになった。彼がテレビのリポーターであったことで、今までとは違う「戦争」の描き方を生み出せていたと思います。

そして、今作においての「歌」の扱われ方も良かった、前作においては歌う→「デ、デカルチャー……!」→一方的に屠って大勝利!あるいは文化に目覚める(笑)によって降伏、的な展開だったのが、今作においてはほぼ通用しないのがいいところ、むしろ敵も歌を用いて戦争を遂行している、というのが新機軸として画期的、ヒロインのイシュタルが歌う歌が破壊と戦争、血の象徴から「愛」を語るものになっていく過程に涙が止まらない……

三角関係はあってもそれが表面におもっくそ出てきて「どっちとキスしたいの?」みたいなバチバチひりつく感じじゃなくて、イシュタルがシルビーにはなったセリフ「さようなら、私の素敵なライバル」に代表されるようになんとなく爽やかなのがいいところ、誰も悲しまず、晴れやかに物語が終結する、美しい作りです。三角関係を仄めかしながらどうともならなかったどこかのΔとか何とかは見習って頂きたい、いやほんとに。

楽曲の魅力

そしてなんといっても、マクロスと言えば「音楽」がキーターム、OPに~EDに~ヒロインの歌に~、ってありますが、小生はひねくれものなので、イチオシの楽曲はコレ『恋のバナナムーン』一応劇中歌ですが、ホント一瞬しか流れません。序盤の統合軍のミンメイ・ディフェンスのシーンでちょろっとだけ流れるだけです。しかし、これがまた味わい深いんだなぁ……まさに80~90年代のポップ音楽やなぁ~とこう思うわけです。滅茶苦茶いいですよ、ホント。

このほかにも鷺巣詩郎氏の携わった劇中歌は単なるアニソンの域を超えた魅力あふれる作品ばかり「バルキリーで誘って」は後の「マクロス7」においてもジャミングバーズの持ち歌として使われるなど、一回限りの劇中歌としてではなく、その後も使われるような高い完成度を誇ります。

機体・戦闘シーンの魅力

はい、ここまで読まれた方々、お疲れ様です。

ここで小生の本来のフィールド、機体と戦闘シーンについて、こっからが長えんだ。

んじゃまず、機体から、本作の主役機はこのVF-2SSバルキリーⅡ

観てくださいよこのイケメンフェイス!そしてこのプロポーション!ファイター形態の美しさ!1992年のロボットとは思えない完璧なまでのスタイリッシュさ!どこをとっても破綻がない上に初代バルキリーのどこか野暮ったい感じが抜けて「垢抜けた」ような感じになってます。各部の形状も流線形を基本としつつ、マッシブにブラッシュアップされ、バルキリーの中でも随一のシンプルかつスマートなスタイルを実現しています。

SAP装備だとこんな感じ

基本的に劇中ではこのSuperArmedPackを装備した形態でしか出てきませんが、これがまた旧来のバルキリーの発展形としてまさしく正当な後継者であることを示すような感じでいいんです。各部のミサイルハッチ、追加ブースターは勿論、ナガモノとしてしっかりレールガンも一門装備、発射のシーンがこれまたカッコいいんだな、これが……

さらに、参考画像は上手く見つけられませんでしたが、このバルキリー、なんと「ファンネル」が付いてます。正式には随伴小型機的な役割ですが「スクワイア―」と呼ばれる小型のピットが劇中でもバルキリーの奔流の中を舞います。

どうです?お腹いっぱいになりそうなほどのカッコよさでしょう?胃もたれを起こしそうです。

そしてさらに、統合軍の最新鋭機として登場するのがこちら「メタルサイレーン」

画像が粗くてすんません

実際に戦闘中に乗るのはネックス大尉なため主役機としての側面は薄いものの、マルドゥークの地球侵攻を阻止するシーンで大活躍します、特徴的な長い機首はプラズマスピアとして使用され、このバルキリーのみの第四の形態として、スラ各部のスラスターが露出、各部のパーツが変形「ガンドロイド」形態になったときに突撃近接戦闘で見どころを作ります。

こうした機体が乱舞するepisode5、劇中における最大の戦闘シーンにおいて作画を担当したのはあの大張正己御大です。「機甲戦記ドラグナー」での「バリ」感満載の作画、「テッカマンブレード」でのケレン味溢れる動きを買われた御大がメカ作画を担当したとあれば、もうどうなるかは予想がつきます。

もう、最高です。

マクロス級を連結したマクロスキャノンによる高出力且つ広範囲の攻撃を繰り出さんとする統合軍に「死の歌」による特攻をかけてくるマルドゥーク、この戦闘シーンが素晴らしい、なんとしても地球への侵攻を防ごうとしての艦隊特攻、ネックスの奮戦、漢の浪漫しかない戦闘シーンが繰り広げられ、クライマックスに向かう気分を高めてくれます。

↓そんな大張正己氏の作品「オーディアン」の紹介はコチラ

https://overwhelming-growth.com/post-1693

マクロスΔとの共通点、元ネタを主張するノイジーなヲタク

ここからは小ネタ、マクロスシリーズ最新作にして小生が駄作の烙印をこれでもかと押した「マクロスΔ」との共通点について、小生は絶対「マクロスⅡ」がΔの元ネタだと思っているのですが、誰もわかってくれません、Ⅱなんか見てる奴なんかいないからです。

というわけで、ここで少し共通点を

ヒロインがパイロットと敵方の歌い手

シルビーとミラージュ、イシュタルとフレイヤ

敵方も歌を使ってくる

マルドゥークの「死の歌」とウィンダミアの「風の歌」

やたらと潜入する

ヒビキとシルビーのマルドゥーク艦潜入、ケイオスの度重なる惑星潜入

こじつけっぽく見えますが、確実にモチーフはここじゃないかと小生は睨んでいます。

総括、みんなで観よう!

黒歴史と化してしまった哀れなマクロスシリーズの二作目、しかし、そこに流れるスピリットはマクロスそのもの! 後世まで語り継がれるこの偉大なる黒歴史をみんなで観よう!

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