どうも、せんちゃんです。
ツール・ド・フランスを3日後に控え、ロードバイクメーカー各社は相次ぐ新型の発表に大忙し、メジャーメディアがコンテンツを作っちゃうもんだから小生はメシノタネ(にもなっていないアクセス数)が無くなっちまうってもんで大慌て。
そんなこんなで過ごしておりましたら、本日また旬なネタが飛び込んで参りました。ドイツの新興ロードバイクメーカーCubeが新型Cube lightning C:68Xを発表しました。
そもそもCubeって?
マイナーメーカーなので皆さんご存知ないと思われますが、先ほど言ったようにドイツのメーカー、第二のCANYONになるか!? とか言われるメーカーで、日本での取り扱いは塩野自転車、一応ツール・ド・フランスでも走ってるメーカーで供給先のチームはワンティ・グループゴベール、フランス期待の新人ギョーム・マルタンを有するプロコンチネンタルチームです。昨ツールでは連日の逃げで魅せてくれました。
バイクの特徴
1000時間に及ぶコンピューター上のシミュレーションと100時間以上の風洞実験を重ねて生み出された最速のエアロマシン(かも)
まず、ぱっと見は最近発表されたエアロロードとさして変わりません。DOGMAF12にも似てるし、VENGEにも似ている。しかしこのバイク、見えないところでかなり頑張っています。UCIの3:1ルールが撤廃されてから久しいですが、完全にこういったルールが全廃されたわけではありません。Cubeはそのルールギリギリのラインまでフレーム形状を煮詰めてきました。特に大きなサイズではシートチューブのカットアウトを限界まで寄せるために切り欠きの半径にまで微調整を加えなければならないほどでした。
その結果としてこのバイクは2015年に発表された旧モデルのLightningC:68に比べて30パーセントの空気抵抗の低減に成功、W換算でおよそ30wの低減に成功しました。勿論、重量に関しても気を配っているため、56サイズ(シートクランプとディレイラーハンガー込み)で980gという軽量性を獲得したのです。
このサイズでシートクランプディレイラーハンガー込みだとVENGEよか軽い説ありますね。
システムインテグレーション
Cubeは空気抵抗の低減を考えた時に、まずバイクの正面に注目しました。そしてヘッドチューブはかつてないほどくびれました。そして最近のバイクでは定番のケーブル完全内装も勿論のことです。しかし、これが他と違うのは内装されたケーブルのルーティング、大体のバイクはベアリングの内側に通しますが、このバイクはヘッドチューブ自体の内側を通すことによってそれぞれのケーブルが曲がり過ぎること、それによる破損のリスクを大幅に低減しています。一応電動コンポのみの対応となってはいますが、addict RC と同じように機械式変速のケーブルが通せそうなスペースあり。
タイヤのクリアランスは28cなら確実、いくつかの銘柄のタイヤなら(リムとの組み合わせによるけど)30cでもOK、というトレンドてんこ盛り仕様ではありますが、出来るだけタイヤが細い(25cを想定? 19cとかだと細すぎですもんね)方がタイヤとフォークの間に空気が通っていいらしいです。
こうしてインテグレーションを進めていく中で最近発表されたバイク(addict RCとかsupersix evo とかZero slr)の多くのようにステム一体型ハンドルが用いられることになったのです。このステム一体型ハンドルはいくつもの試作品を3dプリンターで製作し、風洞実験を重ねることによってこの形状に落ち着きました。
エアロハンドルはサイクルコンピューターをどこにつければいいか迷いますが、Cubeは専用のマウントを用意してます。対応のサイコンはGarmin,WAHOO,LEZINE,それからGoproもOK、よっしゃ!pioneerはWAHOO規格だからいけるな!(持ってない)
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新型LightningC:68Xのインプレ
ネタ元であるCyclingWeeklyの編集部一同はオランダのショップでローンチに参加後、ユトレヒト郊外にてバイクを40㎞にわたってテストした。
このバイクは速く乗られたがっているバイクであることを感じる。フラットな自転車道を通ってショップに帰るまでの道のりは40㎞/h以上の巡航速度だったが、スピードを上げ、それを維持する上でここがまさしくこのバイクが自然でいられる場所であると思った。
ハンドルのフラットで幅の広い部分が気にいった。圧を程よく分散してくれるし、腕を休ませるのにもちょうどいい、だけど、停まっている時にハンドルの動きが止まっているのを見ると、ちょっと混乱するかもしれない。もし君が低速でのトリックに挑戦するのではない限り、或いはスタンディングの技術に凝っているのではない限り、このハンドルはいいハンドルだろう。(ハンドルの安定性、というかフォーク自体の直進安定性を強調か)
気温はとても高く、30度くらいで、非常に風の強い一日だったが、横風の中でハンドルをとられるようなことは無かった。Cubeはハンドリングに関してとてもいい仕事をしたと言えるだろう。
ユトレヒト郊外にはそんなにアップダウンは無かったが、我々はとても気持ちよく森の中を登り、下ることができたと思う。重量は7.6㎏でディスクブレーキを装備したエアロロードにしては軽いと感じた。これはそのうちオールラウンドバイクは必要なくなるかもしれない。勿論登りに関して何の問題も無かった。
長い直線ばかりできちんとハンドリングを試すことが出来てはいないし、ユトレヒトは道がイギリスとは比べ物にならないくらい綺麗だったが、このバイクは剛性が高く、そして入力に対してダイレクトに反応するバイクだった。もしイギリスのガれた道でこのバイクを試すのであれば、僕はタイヤを25㎜から28㎜に変更し、チューブレスで乗るだろう。このバイクにはタイヤのクリアランスも、ホイールの選択肢もあるのだから。
でも、お高いんでしょう?
いえ、そんなに高くないんです。この手のエアロディスクロードが軒並み100万を超えてくる中で、このバイクはトップレンジのLightning C:68X SLTのSRAM RED Etap AXS仕様でDTSWISSのエアロホイールARC1100Dicut62付きのやつが7499£=約101万6400円です。
やっぱり高いじゃないか!! と憤った皆さん、ちょっと待ってください。
我らがSHIMANO、DURA ACE Di2仕様のLightning C:68X SL(まさかのセカンドレンジ! SRAMの台頭を許すな! でもただでくれるって言ったら喜ぶ)にDTSWISS のARC 1400dicut62だと6499£=約88万1436円です! お買い得!ホイールのベアリングがセラミックじゃなくて、重量が63g違うだけです。つーか62mmもリムハイトのあるホイールなんて平坦番長しか使いません。1600g超のホイールはロードレースには不向きです。どーせ完成車で買っても変えたくなります。
さらにお買い得なラインナップは続きまして、Lightning C:68X RaceはSRAM Force Etap AXS仕様のCube傘下のホイールメーカーNewmenのAdvanced SLR38ディスクにホイールが変更になると、なんと61万222円に!スゴい!
そして最後にLightning C:68X proはSHIMANO ULTEGRA Di2 にNewmen Evolution SLR 32がついて3999ポンド=約542197円です! これなら小生でも買える! というわけで、冬のボーナスでどーすかお父さんたち。
まとめ、みんなで買おう!
UCIルールの中で世界最速(かもしれない)エアロロード、ものによってはお買い得だし、なかなか軽い、これは買うしかない! CRCとかでは販売が始まりそうです。