湿布を貼り、灸を据え、鍼を打ち、湯に浸かり……
それでも治らず3月末から5月頭にかけて小生を悩ませてきた「膝の痛み」その原因は「厚底シューズ」にありました。
昨年夏の購入以来その反発力、クッション性にすっかり病みつきになっておりましたが、実はこのシューズが私を苦しめていたのです。
毎日会社から走って帰っていた(!)昨年夏頃ならいざ知らず、仕事の忙しさにかまけてすっかりなまってしまった脚に厚底シューズの反発は過剰すぎました。
意図しない回内、回外の発生、さらに厚底にまかせたかかと着地が足を痛める原因となっていたのです。
単純に太ったてのもありましたが……(人生初の70㎏オーバー、流石に焦りました)。
ゴールデンウィークの帰省時の小生母のアドバイスもあり、かかとがぺたんこなスニーカーに変更したところ、幸いにも痛みはすぐに収まり、事なきを得られました。
この時に勧められたのが「ベアフットシューズ」だったので今回購入に至りました。
そもそもベアフットシューズってなに? ってお話
小生のベアフットシューズの認識はというと「普段革靴のビジネスメンがジムに持っていきやすいペラペラの靴」くらいのものだったので、少しちゃんと調べてみました。
ベアフットシューズとは
その名前の通り、裸足に近い感覚を提供するために設計されたシューズのことです。
足の自然な動きをサポートし、足本来の機能を最大限に引き出すことを目的としているそうです。
通常のシューズに比べて、ベアフットシューズは非常に薄いソールと柔軟な構造を持ち、足裏の感覚を直接感じることができるのが特徴。
ベアフットシューズを履く主なメリット
- 自然な歩行を促進: ベアフットシューズは、足の自然な動きを妨げないように設計されており、足の筋肉や関節をより効果的に活用できます。これにより、足の筋力が強化され、歩行や走行の効率が向上する。
- 姿勢の改善: 足の自然な動きを促進することで、全身の姿勢が改善されます。
特に、膝や腰にかかる負担が軽減されるため、長時間の歩行やランニングでも疲れにくくなります。 - 感覚の向上: 薄いソールにより、地面の感触を直接感じることができるため、バランス感覚やプロプリオセプション(自己受容感覚)が向上します。
これによって運動時の安定性が増し、怪我のリスクが低減されます。 - 足の健康をサポート: ベアフットシューズは、足の指が自由に動くスペースを提供し、足全体の健康を促進します。これにより、足の形状が自然な形を保ち、外反母趾などの問題を予防する効果も期待できます。
と言う感じで良いことづくめじゃないか!! と思う一方でむしろメリットを強調しすぎていてうさん臭くもある……という一定の勘繰りも発生しております。
が、折しも自己改革の必要性を感じていたタイミングだったのでサクッと購入しました。
足に野生を取り戻すために購入したのがこちらです。
みんな大好きMERRELLのベアフットシューズ「VAPOR GLOVE 6」です。
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Amazonで探すと当然のことながら安い中華系のベアフットシューズもたくさんあり、MERREL1足で3、4足買えるな~ってのもあって悩みましたw
このシューズを選んだ理由
MERRELというブランドが個人的に好きだから
MERRELLは個人的に思い入れのあるブランドだから! ってのが一番です。
ここのGRIDWAYというスニーカーがデザイン、履き心地ともに人生で履いた靴の中で一番気に入ってました。
最後はミッドソールに充填された樹脂? 繊維が外に出てきてモロモロになり、文字通り「履き潰す」まで履いていたくらいなので……。
設計が求めているものズバリだった
ブランド愛は良いとして、次は機能面のお話。
かかととつま先の高低差がない「ゼロドロップ」なのもそうですが、「ミッドソールなし」でガチのベアフットなシューズだったのが決め手です。
もうやるんだったらトコトン、みたいな気分になっており、中途半端に踵ついてたりソール入ってたりのじゃなくて、振り切ったものが欲しい~ってなってたのです。
アウトソールが信頼と実績のVibramで耐久性の高さが保証されているのもいいところ。
あとは丁度Amazonでセール価格&ポイント還元たっぷりだったのもありますw
総じて今の小生が求めるすべてが詰まっているのがこのシューズでした。
開封の儀
先代のGRIDWAYとの思い出もあり、もうこの箱見ただけでテンションが上がってきます。
開けてみると、ブラックが思ったよりブラックでした。
メッシュなんでもう少し濃灰に近い感じかな、と予想しておりましたが、ブラック感強めです。
実測重量
右も左もともに150gと精度高めに作られておりました。
こんだけ軽いシューズを履くのはお初です。
ロードバイクで履いてるビンディングシューズですら230gとかそこらで軽っ! って感じだったのでその上をゆく軽さに驚きを隠せません。
柔軟性(ベアフットシューズをジムに持っていきたいあなた向け)
この状態から
ここまで曲がります。
本当にペラペラでぺったんこになるのでカバンの中でも邪魔にならなそうです。
普通に薄いのでここまでしなくてもそもそも邪魔にはなりませんがw
VAPOR GLOBE6のサイズ感
実測で25㎝から26㎝の間くらい、若干幅は広め、普段はEUなら40.5か41、㎝なら25.5か26を選ぶ小生の足で25.5㎝2Eでピッタリでした。
母に通販で靴買うとか正気か!? ってずっと言われてますが、外したことはありません(特殊な靴なので内心心配でした)。
実際に小生もそうしていますが、普段MERRELの靴を履いている人であれば、基本的には同じサイズのものを買えば問題ないと思います。
ファーストインプレッション
感想まとめ
気に入ってるところ
・とにかく軽い
驚異的に軽いので脚が良く回ります。気持ちピッチがあがりました。
・どんな服装にも合う
デザインがいいけど落ち着いてるのでオフィスカジュアルにも合います。少し暑くなってきたので試せてませんがスラックスとかにも合うはず。
・エンジニアードメッシュで快適&フィット感良好
今のところ感じてる一番の利点、5本指靴下と合わせるともう気が狂いそうなくらいええんじゃ。
・想像以上の防水性能、及第点はあげられる。
微妙なところ
・ミッドソールなしなので衝撃は結構やばい
かかとから着地するとグウっ(歯を食いしばる)ってなります。
・フニャフニャで履きにくい
ふにゃふにゃなのでそのまま足をズボってできません。朝の出勤時間が3分だけ早くなりました。
嘘偽りのない感想
さて、導入初日の感想ですが、かかとと足の裏が痛くて痛くてもう歩くの嫌になってます。
ミッドソールなしでマジに衝撃がダイレクトなので足壊れるわこんなん! ってキレてます。
舗装がプアなところとか真剣に歩きたくないし、点字ブロックとかちょっとでも盛り上がった部分が怖い。
一瞬またぎ越すだけでも嫌です。
神はなぜこのような試練をお与えになるのです……と都内を歩き回りながら泣きそうになってました。
帰宅してあまりの足の痛さになんで俺はこんなもの買ったんだ……せめて少しでもミッドソールの入ったTRAILGLOBEにしておくべきだった……と初日にしてだいぶ重めの後悔に苛まれてます。
さらにおろしたての靴なのに雨に降られてイライラしましたが意外にも防水性能が高かったのと、メッシュ故にすぐ乾いたのは良かったです。
総じて初日にして既に嫌いになりそうです。
が、もう買っちゃったし、履いちゃったし、汚しちゃったのでウチの子としてかわいがってあげる他ありません。
2週間履いてみての感想
初日は散々でしたが、2週間履いてみて、だいぶ印象が変わってきました。
慣れの部分が大きいですが、初日あんだけ嫌いだったのにもう好きになってます。
今履いてるのを履き潰したら確実に2足目を買います、リピ決定ってやつです。
2週目の感想は以下の通り
- メチャ筋肉使う、脚全体が痛くて話にならないw
- ダイレクト感にはすぐ慣れた
- シューズが歩き方を変えてくれる、という期待感が確信に
メチャ筋肉使う、脚全体が痛くて話にならないw
ベアフットシューズの一番の利点であり、導入時に見込んだ効果がバチっとハマって小生としてはメチャ気持ちいいのですが、とにかく筋肉を使います。
足じゃなくて脚なのがミソなんですが、腰から下の筋肉、なんなら体幹とかも含めて全部が満遍なく疲弊していて筋肉痛がヤバいです。
本当に足の裏からお尻、そして太ももの奥深くまで、全部ひっくるめて痛いのです。
ゲーミングチェアに座ってブログ書いてる今すらも鈍い筋肉の痛みと戦っております。
1週間も履いてプロテインとEAA飲んでりゃこの程度何とかなるっしょ!!とマイプロテインの集中運用でリカバリーを図りましたが、余裕で負けましたw
これまでの「歩行」というのがいかに人間本来の「歩行」とかけ離れた運動であったのかを示されているわけですね。
時間はかかると思いますが、いまの脚の痛みがなくなったときに一匹の「人間」という動物に戻れるんやな……と感慨深い気持ちになります。
それくらい深いところにある筋肉の痛みが止みません、もう少し優しくてもいいんじゃないかな……という気はしてます。
ダイレクト感にはすぐ慣れた
初日から1週間経つくらいまではちょっと心配していた接地の際のダイレクト感ですが、すぐに慣れました。
最初はホントちょっとした雑な舗装とか点字ブロックの上とかの凹凸ですら嫌でした。
日本は舗装路が綺麗で云々って話じゃなかったの? なんでこんなにどこもかしこも凹凸だらけなんだ?と鋭敏になった足裏の感覚で嘆いていましたが、1週間たったくらいからこの程度普段の青竹踏みみたいなもんよね、って感じで線路わきとかの砕石撒いてある道もスタコラ行けるようになり、いまでは凹凸が少し心地よく感じられるようにすらなりました。
この「転向」にあたっては歩行の癖が変わってきたのも少なからずあると思います。
シューズが歩き方を変えてくれる、という期待感が確信に
購入当初はこのシューズなら歩き方変わりそ~程度の薄い期待感みたいなもんで、正味な話が半信半疑だったのですが、2週間でこの期待が確信に変わりました。
確実に歩き方が変わってきています。
それを如実に感じるのはイヤホンを着けて歩いているときで、履きたての時は着地の瞬間にかかとから響く「ドっドっドっ」という鈍い音で音楽が聞こえないくらいだったのですが、今は普通に音楽が聞こえています。
イヤホンをしていないときも、履きたての時はペタペタペタペタ言ってた歩行音が静かになったな、というのを感じてます。
2週間で踵着地が治りつつある、というのはシンプルに驚きです。
まぁかかとから足おろすと痛くて仕方ないので自然に避けるようになる、という荒療治的な側面は否めませんが……。
過程や理由がどうあれ、結果がすべてなんじゃオラ!!! って言える人は買って損はないと思います。
総評:ベアフットシューズは良いぞ、特にMERRELは最高だぞ
これまで厚底シューズを散々褒めたたえ、崇め奉ってきた小生だったので、まさかこれほどまでにベアフットシューズが良いとは思ってませんでした。
多分あと2週間くらいは筋肉痛に悩まされたままだとは思いますが、それでもいい、と小生は言い切れます。
脚が生まれ変わっていく……というか作り直されていくプロセスには筋トレを始めたときと同じくらいのポジティブな「変化」の感覚があり、もうやめられんです。
自分の脚が「完成」するのも楽しみでワクワクします。
みんなもこれを味わってくれ~!! と声をでっかくして言いたい……。
ただ、初日の感想で述べた通り、ダイレクト感が半端ないので下手をすると一瞬で嫌いになって履かなくなる可能性がある点には注意が必要です。
底が薄かろうがなんだろうがやったるわ!! 的なアグレッシブなノリじゃない人、ベアフットシューズをトレランに使いたいよ~って人は確実にやめておいた方が良いです。
大人しくミッドソールが入った兄弟モデルのTRAIL GLOBE7を買いましょう。
メレル メンズ スニーカー トレイル グローブ 7 アウトドア ベアフットシューズ ローカット 薄底 MERRELL TRAIL GLOVE 7
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トレラン向けなのでアースカラーで且つアウトソールが土踏まずを駆けあがるデザインはタウンユースには少々過剰な部分はありますが(おしゃなのですが小生には履きこなせそうにないw)ベアフットシューズ入門に適切なのはこっちだと思います。
と言うわけでMERRELのベアフットシューズ「VAPOR GLOBE6」のレビューでした。
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今後も継続して履いていくので何かあればまたアップしたいと思います。
膝痛が治ってこれからどんどん良くなっていくと思うので↓みたいなライドも増やしていけると思うとワクワクします。