どうも、せんちゃんです。
明日から第106回ツール・ド・フランスが始まります。今大会は106回という半端な数字ではありますが「栄光の黄色ジャージ」マイヨ・ジョーヌ100周年という記念大会となっています。
そんなわけで今年は毎日マイヨ・ジョーヌの柄が変わるという凝ったつくりになっています。
ルコックスポルティフは3バージョンしか一般販売してないけど……個人的なお気に入りは選手たちが山を登ってるやつ(一般販売してます)。
さて、気になる本大会ですが、色々とスター選手を欠きまして、だからこそ熱いツールになりそうな予感です。
クリス・フルームは落車
マルセル・キッテルは一旦競技から退き
フィリップ・ジルベールは自国スタートのツールに出られずブチギレ
デュムランは膝の調子が治らず
カヴェンディッシュは選出されず
ナセル・ブアニも同様
ということで世間的にはフルームの5勝クラブ入りかトーマスの二連覇か、ワンチャンベルナルか、はたまた王者の牙城が崩壊か、というのが話題だったのが大きく変わりました。他のチームを見てもスタートリストの変更だったりなんだりで蓋を開けてみると、いつも以上のアチアチ・ツール・ド・フランスでした。
ツール・ド・フランス2019公式プログラム (ヤエスメディアムック592) 新品価格 |
チーム・イネオス
エースはゲラント・トーマスとエガン・ベルナルのダブルエース、どちらか調子の良い方が総合を狙う、という形だが、今年はタイムトライアルが少ないため、ややベルナル有利か? 昨年の様子だとトーマスも問題ないとは言えるが……
アシストにはいつものワウト・プールス、ヨナタン・カストロビエホ、クウィアトコウスキーらとジャンニ・モスコンとルーク・ロウ、ディラン・ファンバーレ
若手も揃ったバランス良く且つ磐石の布陣、いつものツールにならないか心配、特にベルナルの活躍次第ではマイヨ・ヴェール以外の3枚のジャージが全部彼のものになる、なんてこともあり得るかもしれない。
ボーラ・ハンスグローエ
スプリントエースは今年久しぶりに普通のチームジャージを着るペテル・サガン、昨年に続く史上初、七度目のマイヨ・ヴェールの獲得に挑む。総合ではエマヌエル・ブッフマンの活躍が見込めそうだが、山岳で確実に切れるカードがあるかどうかは懸念材料。
アシストはマックス・ブルグハート、パトリック・コンラッド、グレゴール・ミュールベルガー、ダニエル・オス、ルーカス・ペストルベルガーとマキシミリアン・シャフマン。
サガンのスプリントホットライン+丘陵や山岳でも計算できるルーラー・クライマーを少々という構成、マイカのようにブッフマンも終盤は単機での戦いになるかどうかはパトリック・コンラッドにかかってきそうだ。
ドゥクーニンク・クイックステップ
総合エースは昨ブエルタ総合2位のエンリク・マス(僕は第二のコンタドールではなくマスという台詞が印象的)山岳はジュリアン・アラフィリップ、スプリントはジロで良いとこなしだったエリア・ヴィヴィアーニとそれぞれ目標こそ違えど、エースは充実
アシストにはカスパー・アスグリーン、イヴ・ランパールト、ドリス・デヴェナインス、ミケル・モルコフ、マキシミリアーノ・リケーゼと実力者を揃える。
ややスプリント路線偏重のケがあるが、マスもアラフィリップも単機でなんだかんだやっていけるので不安はない、しかし、マスを表彰台に乗せるのであればやや厳しいか?
アージェードゥゼール・ラ・モンディアル
エースはフランスの期待を一身に背負うロメン・バルデ、表彰台奪還に燃えるが、目指すは栄光のマイヨ・ジョーヌを着てのパリ、シャンゼリゼ凱旋
アシストにはトニー・ガロパンやアレクシー・ヴュイエルモーズといったジロのエース格とミカエル・シュレル、ブノワ・コズネフロワ、マティアス・フランク、オリバー・ナーセンを揃える。
個人的にAG2Rだとトニー・ガロパンが好きなため彼を応援、バルデの総合表彰台はチームタイムトライアルとタイムトライアルが肝になるだろう。今大会はエディメルクスのマイヨ・ジョーヌ獲得50周年を記念してベルギー・ブリュッセルがグランデパール、これに対応してかチームバイクはエディメルクスのEM525だ。チームバイクにも期待。
バーレーン・メリダ
日本のエース新城幸也は出場ならず、毎年のようにケガが続き、グランツール戦線での戦いが見られず残念。
総合エースはジロ明けのヴィンツェンツォ・ニバリと総合系ライダーへ転向のローハン・デニスのダブルエース体制とスプリントエースはソンニ・コルブレッリが担う
アシストにはジロでの功労者ダミアーノ・カルーゾ、イヴァン・ガルシアをメインにマテイ・モホリッチ、ディラン・トゥーンス、ヤン・トラトニクらタイムトライアルスペシャリストを揃えてのツール、チームタイムトライアルでは最強か。ニバリの動向も気になるところ、ジロ明けでのツール参加ということで本人は山岳ステージが取れればいいなぁ……みたいなことを言っているが、ニバリの老獪さを考えると一転攻勢でそのまま総合上位になだれ込む、なんてこともあり得るかもしれない。そういうブラフを張りつつデニス一択、なんてこともありそうだが……
グルパマFDJ
エースはこちらもフランスの期待を一身に背負うティボー・ピノ、久しぶりのツールで表彰台なるか
アシストにはタヴィ・ゴデュ、ルディ・モラール、シュテフェン・キュングら、自ら総合でも戦えそうな面子とウィリアム・ボネ、マチュー・ラダニュ、セバスティアン・ライヒェンバッハ、アントニー・ルーを選抜
ジロで散々修行を積んで帰ってきたピノ、チームの布陣もピノを強烈にバックアップ、そのせいで割を食ったのはデマールのスプリント……はジロでたくさん見たからいいや……
モビスター
エースは懲りもせずナイロ・キンタナ、アレハンドロ・バルベルデ、ミケル・ランダのトライデント🔱トリプルエース方式
アシストにはおなじみアンドレイ・アマドール、マルク・ソレルに加えてイマノル・エルビティ、ネルソン・オリヴェイラ、カルロス・ベローナ
前年は連携が上手くいかず、お笑い三銃士と化してしまったため、今年は連携がカギ、はまったら多分一番強い。バルベルデおじさんは過去最高に絞ってきたため誰か分からないくらいげっそり。
アスタナ
エースは今一番脂がのっているだろうヤコブ・フグルサング
アシストには好調のペリョ・ビルバオ、ゴルカ・イサギレ、オマール・フライレ、アレクセイ・ルツェンコ、マグナス・コルトニールセン、ルイスレオン・サンチェスとユーゴ・ウル(誰?)
もしかしたらイネオスより強いかも知れないチーム、春先のクラシック、ステージレースからツール前哨戦のツール・ド・スイスまで、あらゆるレースで活躍の見られたアスタナ、今シーズンの台風の目となったが、果たしてツールでもこの好調を維持できるか
ユンボ・ヴィスマ
総合エースはなかなか勝てないけど安定した強さを誇ることでおなじみのスティーフェン・クライスヴァイク、スプリントエースには最強ピュアスプリンターの一角に数えられるディラン・フルーネウェーヘン、昨年はマイヨ・ヴェールを獲得する前にリタイアとなったが(クライスヴァイクのビッグエスケープの余波)
アシストにシーズンインから絶好調、シクロクロスからのロード組で期待大のワウト・ヴァンアールト、元世界TTチャンピオンのトニー・マルティン、アムントグレンダール・ヤンセン、と各国ナショナルチャンピオンに加えて、ジロでは活躍が見られなかった期待の新人ローレンス・デプルス、ZLMツアー覇者のマイク・テウニッセン、セカンドエースも狙えるグランツール総合10位以内常連のジョージ・ベネットと実力者揃い。
総合のクライスヴァイクは最早毎度表彰台に乗れないのを承知で小生も応援しています。正直何故勝てないのかが分からない。バッドデイで大崩れするでもなし、タイムトライアルだって苦手とはしていません。2016年ジロで勝てていれば彼の総合ライダーとしてのキャリアはもう少し違ったかも知れない。今回はベネット、デプルスのアシストを受けて何度目かの正直だ。
フルーネウェーヘンは今シーズンも絶好調、テウニッセンとのコンビネーションも良好の上リードアウトトレインもスピードマンを揃えているため心配無用、ファンアールトもスプリント力があるため、連携がとれたらいいな。
個人的に大好きなチームのため、長くなってしまいました。チームのTwitterでの中の良さそうな様子が本当に好き、ツール直前ですが、フルーネウェーヘンはアムントグレンダール・ヤンセンに悪戯をする様子が……ノルウェーナショナルチャンピオンジャージを手渡したかと思ったらまさかの子供用サイズ、投げ返すヤンセンが可愛い。
ヒゲログリッチとハゲヘーシンクがいませんが、とにかくクライスヴァイク頑張れ!!
EFエデュケーショナルファースト
総合エースは例のごとくリゴベルト・ウラン
アシストにはクラシックシーズン好調のアルベルト・ベッティオルに世界選手権3位のマイケル・ウッズ、シーズンインで力を見せたティー・ジェイヴァンガーデレン、サイモン・クラーク、タネル・カンゲルト、セバスティアン・ラングフェルド、トーマス・スクーリーがウランをバックアップ。
ここんとこ調子の良いEFエデュケーショナルファースト、新型ロードバイクも携えて好成績への未来は明るい?
ミッチェルトン・スコット
総合エースはアダム&サイモンのイェーツ兄弟(サイモンはサポート)
スプリントエースはマッテオ・トレンティン、ステージによってはダリル・インピー
アシストはルーク・ダーブリッジ、ジャック・ヘイグ、マイケル・ヘップバーン、クリストファー・ユールイェンセン。
安定感のあるメンバー、イェーツ兄弟が波状攻撃をかけたら他のチームはかなりキツイだろう。また、ダリル・インピーはツアー・ダウンアンダーでの活躍にも見られるように山岳も苦としていないため、計算できるメンバーが揃っていることになる。彼らのツールでの3週間をとらえたEat,race,win(Amazonprime)での仲の良さ、楽観的なチームの雰囲気はどうやら総合表彰台を目指す上で変更を余儀なくされたようで悲しい。
CCCチーム
エースはグレッグ・ヴァンアーヴェルマート
アシスト……というよりみんな好きにやるのが総合エースのいないCCCチームだ。メンバーはパトリック・ベヴィン、アレッサンドロ・デマルキ、セルジュ・パウェルス、ジョセフ・ロスコフ、ミヒャエル・シュアー、ルカシュ・ヴィシオニスキー
どっかでステージとれればOK!出来ればGVAで!という感じか、デマルキら「逃げ屋」に期待。GIANT製ハイエンドコンポーネントブランドCADEXにも要注目。
UAEチームエミレーツ
総合エースはダニエル・マーティンとファビオ・アルのダブルエース
スプリントエースはアレクサンドル・クリストフ
アシストは期待のスヴェンエーリク・ビストラム、おなじみルイ・コスタ、セルジオルイス・エナオ、ヴェガールスティク・ラエンゲン、ジャスパー・フィリップセン
不調の時期にあったエース二人、今回のツールで活路を見いだすことは出来るかに期待大だ。そう言えばガビリアがいないが、総合表彰台に注力か。
トレック・セガフレード
総合エースはリッチー・ポート
アシストにはジュリアン・ベルナール、ジロ山岳賞のジュリオ・チッコーネ、クーン・デコルト、ファビオ・フェリーネ、ジロではエースのバウケ・モレマ、トムス・スクインシュ、ジャスパー・ストゥイヴェンという布陣
リッチー・ポートが魔の第9ステージを越えられるかが勝負を分ける。そこだけなんとかなればチーム力は十分、モレマ、チッコーネの山岳護衛で総合系ライダーとしての矜持を見せつけることは出来るか、山岳で切れるカードの数を考えると落車にだけ気を付ければ上位進出は可能だ。
チーム・サンウェブ
総合エースはデュムランがいないため繰り上げでセカンドエースだったウィルコ・ケルデルマンが務め、スプリントエースでは2017年マイヨ・ヴェールのマイケル・マシューズ
アシストはニキアス・アルント、セース・ボル、チャド・ハガ、レナード・ケムナ、セーアン・クラーウアナスン、ニコラス・ロッシュ
チームの方針がデュムラン一択の構成でマシューズもスプリントの練習をせずにいかにデュムランの山岳護衛を務めるかに注力してきたため、先行き不透明、何とか頑張ってもらいたい。
ロット・スーダル
カチューシャ・アルペシン
総合エースはイルヌール・ザッカリン
アシストにはイェンス・デブシエール、アレックス・トーセット
ジョセ・ゴンザルペス、マルコ・ハーラー、ニルス・ボリッツ
マッズウルス・シュミット、リック・ツァベル
毎度毎度ザカリンは表彰台に乗れていないが、挑戦する姿勢、チャンスをものにしようとする姿勢がカッコいい。小生はパリルーベ2位の長身ニルス・ポリッツ一点買いだ。
チーム・ディメンションデータ
昨ブエルタでステージ優勝を上げたベン・キングに注目、カヴェンディッシュが出ないからつまらん。
プロコン4チーム
アルケア・サムシックの注目選手はワレン・バルギル、フランスチャンピオンとしての意地を見せてくれるか、ヒゲをはやしてややワイルドになった姿が魅力的、同郷のアラフィリップの後塵を拝することのない活躍が見たい。同チームの「ゴリラ」アンドレ・グライペルの往年のスプリントにも期待。
コフィディスはブアニがいないのでやや面白み(ハプニング的な意味で)に欠けるが、ラポルトのスプリントとヘスス・エラダの山岳での走りは面白そう。
ワンティ・グループゴベールはギヨーム・マルタンと新しいキューブのロードバイクライトニングC68Xに要注目
https://overwhelming-growth.com/uci規定を限界まで追求した新型エアロロードcube-lightning-c68x
トタル・ディレクトエネルジーはテルプストラニキ(なんJ民並みの感想)の活躍が見もの
まとめ、寝不足の日が続きそう……
小生のマイヨ・ジョーヌ予想はズバリ
スティーフェン・クライスヴァイク!! 冗談です。でも、勝って欲しい。本命はベルナルで時点はフルサング、そこにトーマスが続くか続かないかですね。
マイヨ・ヴェールはサガンで決まり、フルーネウェーヘンは昨年同様前半で勝利数を稼いで帰宅しそうなので……山岳がきつすぎる……
マイヨ・グランペールはやっぱりバルギルでしょう。生まれ変わってますから、彼は(何が?)
マイヨ・ブランはやっぱりベルナル……デプルスに頑張ってもらいたい気持ちはありますが……
ということで、明日から寝不足になりそう……例年第一ステージはただで観れるので観ときましょう。Jsoprtsに登録もお忘れなく、日本語での実況が欲しければ……小生はリスニングの勉強も兼ねて海外配信を観ようかと思います。サッシャと栗村さんの解説も好きなんだけどね……。
↓あると便利です、選手名鑑
ciclissimo(チクリッシモ)No.59 2019年4月号 新品価格 |