新海誠「天気の子」小説版感想──申し訳ないが、酷評になってしまった──

新海誠「天気の子」小説版感想──申し訳ないが、酷評になってしまった──

とうも、せんちゃんです。

昨日インターンが一社通ったと思ったら申し込みでもっかいES書かされそうになって焦ってたらミスだったことが判明して一安心、ブラッシュアップし終わったところでのメールだったので、ちょっと遅かったかな……

ゼミの発表の範囲も間違えてて資料作り直しだったし……なんかいやーなことって重なるもんです。

さて、本題に入りましょう。

本日公開の新海誠監督の最新作「天気の子」小説版が昨日発売でした。そんで小生は昼休みに急いで大学近くの本屋まで行ってきたわけです(大学生協の本屋は御大層にデカデカとポスターだけ貼ってあって置いてなかった)。

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読了した訳ですが、いやーなんというか……

以下個人の感想です。「小生はこう思った」ってだけですから、気にしないでください。監督の作品を何度も何度も繰り返し観ていて本当に好きだからこその感想です。

下ネタも多いです。嫌なら見るなの極致みたいな文章です。

※趣味でチロチロやってるブログでバッシングされたり叩かれたり(同語反復)したくないので「続きを読む」を置いときます。ネタバレは極力しないよう頑張りますが、どうせ小説が出てるんだから、今更何も言いっこなしの部分はありますな。

警告しましたからね。

※シコる、とかイく、とか表現が出ますが、あくまでも比喩です。長年オナニーしてきましたが、新海誠監督の作品で抜けるほど熟練してません

感想──「終わったな」と感じた──

感想は、これに尽きる。小説自体の体裁が悪いわけでは断じてない。しかし「君の名は」のような空前の大ヒットになるような映画にはならないことは確信した。前作があるから一応初動の興業収入は伸びるだろう、しかし、その後ボチボチ批評サイトやらなんやらにレビューが飛ぶようになったらそこで打ち止めだ。

高三の夏に「君の名は」の公開があって、CMがバンバン流れて、その度に「コレ本当に監督の映画か?キャッチー過ぎないか?」なんて思っていて、友達ともそんな話をしていて、結局受験があるから夏の間には観れなかったけど、小説だけは(弟がせがんだのもあったが)すぐに買ってきて、その日の内に読んでしまったのを覚えている。

はじめは大衆よりになってしまったなぁ……なんて思ってた小生も読み終わる頃には目にうっすら涙を浮かべて「いやー、確かに大衆向けにはなったけど、ちゃんとエッセンスは生きてて、ちゃんと監督の作品だ」と思わせてもらったし、受験が終わってからロングランの映画館で観たときには、やっぱり泣きそうになった。(「ほしのこえ」は何度観ても泣いてしまうし、「秒速」は具合が悪くなる)結果として、良いものだった。興業収入が伸びるのも当たり前だと思った。しかし、今回は違う。読了して最初の感想が「ナニコレ?」です。なんかこうボタンをかけ違ってしまったような感覚があって、決定的に「終わったな」と感じた。期待値がデカイ分、揺れ戻しもデカかった。

なんかね、読んでる間中気持ち悪いなって、感じたんですよ。いや、監督の映画はやつの性癖とイカ臭い汁の臭いがして気持ち悪いでしょ、それを楽しむのが監督作のファンでしょ。って言われたらうん、って言うし、なんならイカ臭いの嗅ぎながらシコるぐらいの勢いは小生にもある。でも今回はダメこれ、イカとかとは別のキモさですわ。なんか言っちゃ悪いけど真にオタク向けのコンテンツの臭いがするんです。

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なぜ「ダメ」なのか

なんかね、大衆化がイキすぎィ!イクイクイクってなって、単なるラノベのリノベみたいな感じになってるんですよね。全体的な「雰囲気」が……語尾に「にゃー」とかつけない!飛影はそんなこと言わない!新海誠ヒロインはそんなに安くない!

あと、これが一番デカイのですが、クライマックスがハッピーエンドなのが嫌です。過去作で調教済みの監督ファンは「君の名は。」だと初期プランの三葉に男がいて、すれ違う方じゃないと抜けない。

ノボルとミカコは劇中では再会しないし(ほしのこえ)サユリは「言いたかったこと」を忘れている(雲のむこう、約束の場所)貴樹が明里も振り向くだろうと思って電車が通りすぎると、もう彼女はいない。(秒速5センチメートル)

こうやってNTRってほどじゃないけど、二人が決定的に「繋がらなくなる」ってところが良かったんです。「秒速」なんかは最高ですよ。最後に自嘲気味に笑うところなんかそれだけ2回くらいイけます。

前回ウケた部分を馬鹿正直に水増ししたみたいなのも良くないなーって思うし、主人公の内面が幼すぎるのも受け付けない、小説のあとがきで夏休みに老若男女が観にくる映画と考えず、自由に……みたいなことを言ってましたが、いや、引き摺られてるだろ、と。本音と建前はありますから、出来れば建前であってほしいですね。

監督の才能が尽きたとは断じて思わない、少しスパンが短すぎただけだ(そう思いたい)ただ、劇伴がRADWIMPSで、プロデューサーが川村元気で、このストーリーだと「天気の子」は「君の名は」の質の悪い二番煎じのようにしか映らないだろうと思うし、小生は実際にそう思った。後述するが「君の名は」とあんまり変わらない、本当に変わらないのだ。続編ならまだ分かる、そういう構成にしてます、って監督が夕方のニュース番組のインタビューかなんかでもう、バッチバチに答えてくれないだろうか、本当にそう思う。多分「君の名は」良かったから……なんて観に行くと悪い意味で拍子抜けだ。オツムの弱い人はハラショー!!!と手を叩くかも知れないが……

「君の名は」とあんまし変わんない訳

正直に言っちゃうと、ほぼ一緒です。

平たく言ってしまえばやっぱ両方とも「超能力美少女系セカイ系ストーリー」なわけで、東京に憧れて出てくるのが穂高か、三葉か、長く滞在するか、一日だけか、物語の鍵を握る、スティグマとして「両親の欠損」を持つ巫女的な少女、少女の運命を予見するのが祠の絵か、神社の雲竜図か、一緒に犯罪行為をしてくれるのが勅使河原か、へったくそな声のおねーちゃんか。迎えに行くとことかなんかセリフまで一緒なんじゃないですか、「あそこに三葉がいる」「あそこに陽菜がいる」超常的な現象の起きたスポットに行ってヒロインを助け出す構図、コメディリリーフもドタバタ劇もなんか構造が似てる、なんなら台詞だってそう。

一瞬君の名はの瀧くんと三葉が出てくる「スターシステム」みたいなのもありますけど(君の名はにもユキちゃん先生がいたか)いっそのこと「続編です」って言って欲しい。

いや、君の名はだって過去作のフィルモグラフィーみたいなもんでしょ。って言われたら確かにそうすよ。でも、これはもう言い逃れ出来ない。質の悪い二番煎じにしかならない。

何がいけなかったのか

有名になりすぎた、周囲が煽りすぎた。急がせ過ぎた。売れる監督にはそりゃ映画つくってもらいたいよ。でも、あれだけのものを作ってこのスパンで次は流石にキツいと思う。結果としてネタが被ってしまった。

あと川村元気、コイツかな。

小生も彼の「ヒットメーカー」としての能力に関しては純粋にスゴいと思う。尊敬に値する。悪い意味でも良い意味でもイカ臭かった監督の映画をあそこまで売れるようにしたのはやっぱりスゴいし、自分で書いた小説だってベストセラーだ(小生は気に入らなかった、後でコレも書く、読まんでよろしい)。

だけど、今回ばかりはちょっと……って感じだ。穿った見方になっちゃうけど、一心同体というより、踏み台にしたかな、みたいな。監督は作品と一蓮托生だが、プロデューサーはそうでもない。元から有名だったけど「君の名は」で一気に名前が売れて、次の作品もバンバン広告打ってもらって、売れれば名前がさらに売れて、売れなかったらフェードアウトでOK、そんな感じもした(完全に邪推です)。

コレから何が起こるのか

一度有名になってしまった分、結構叩かれるんじゃないかコレ、既にCMが多すぎてウザい、とかコラボCMが面白くない、とか推しすぎ、とか言われちゃってる部分もあるが、相乗効果で倍叩かれそうで今から心配だ。「持ち上げすぎた」のだ。やれアマプラだNetflixだHuluだでわざわざ映画館に脚運んで映画観る人いる? みたいになってたところで、2016年は「当たり年」配給元が同じ「シン・ゴジラ」もヒットを飛ばして庵野、エヴァはまだか絶好調だった。

映画の版権を買ったテレビ朝日も視聴率は上々、2回流しても視聴率が10%を割らないと来て、これは推せる、と一種「新海誠特需」でも起きたみたいになってしまったのだろう。(実際、アニメ映画がキテる! と勘違いして後を追った映画が轟沈したのは知るところだと思う。上から見るかとか下から見るかだとか、君と波に云々とか)

それで、コレだ。2ちゃんの爆死ラインは75億とかだが、多分その2倍近くまでは簡単に行くだろう。しかし、監督はもう「ユリイカ」で特集は組んでもらえないかもしれないし、ネットで枯れた、とか「君の名は」で終わった、とか新海はここまで、とか言われてしまうんだろうと思うと今から悲しい。

もっかいどっかで頑張って欲しい

やっぱデカい映画館でやるもんじゃないかも知れませんな、興業のことを本当に気にせず、小規模な映画館で公開して、ちょっとずつ広がってくるぐらいで丁度良い、映画会社と組んじゃうと、どうしてもそっちの意向も汲まなきゃいけないし、真に自由な作品の製作は出来ないんじゃないだろうか、まぁこの作品だって売れるでしょうからね。何馬鹿なこと書いてんだこのガキ! とか言われたらおしまいですわ。

過去作に隠居します

あんまり色々いうと「コレだから自称古参は……」とか「なんでこんな記事書いた! ありえない話し! 謝れ謝れ謝れ!」とか「アホ死ね」とか言われそうなので、大人しく初期三作を見てシコろうと思います。

でもこれ観て上げてるヤツはバカだなって思いますよ、小生は。ブルデューの「文化資本」じゃないけど、そういうのがない人がハラショー!!!ってしてるだけですからね。セカイ系として見てもクソ以下です。