NO IMAGE

『2001年宇宙の旅』70㎜フィルム特別上映を観に行ってきました。

どうも、圧倒的成長丸、改めせんちゃんです。台風一過で夏のように暑い日が続いたかと思いきやこの寒さ、皆様いかがお過ごしでしょうか、私は月並みな毎日です、今回は先週日曜日に(ほぼ一週間前ですが)「2001年宇宙の旅70mmフィルム特別上映」に行ってきたお話をば……映画を観てすぐは衝撃になにも語ることが出来ず、その後は「早稲田魂19」の一次〆切に追われてなかなかブログ更新できませんでしたし、久しぶりの第長編です。
なお、本文はもっと下の方です、冗長な前置きなんかくそくらえ! という方は下の方までスクロールもしくはブラウザバックを決め込んでいただけるとありがたいです。時系列を追ってのお話なので、待機列とかの話は参考になるかも……小見出しをつけませう。
前日 ロードバイクがパンク
土曜はローラーに乗ろうとしたらスローパンクしてやがって空気がバチコリ抜けてたもんで仕方ないから自転車歴において初のパンク修理に……ビードが固すぎるッピ! 小一時間かかって修理完了、引きずり出したKENDAのチューブはあとで水見式みたいな名前のやつをして遊ぶ予定です。そんなこんなで疲れ果て、そのおかげかよく眠れました。寝る前に大好きマイプロテインのサプリシリーズでばっちりドープしたわけですが(マイプロテインはアンチ・ドーピングを目指す優良企業です)。
当日 起床から宝町まで
そして映画を観た当日は五時にA-haのTake on meで目覚める予定でしたが楽しみ過ぎてアラームを聴くことなく目覚めまして、バスの始発なんか待ってられん! そんな悠長なことしとったら当日券がのうなってまう! と半分、青いの鈴愛風に家を飛び出します。しかしまぁ風台風だけあって向かい風が強い、私の家は山の中腹辺りに位置しているのですが、そこから下り、平坦区間で向かい風にあって大変な目にあいました。待ち時間に「コードギアス」を見るためにダウンロードしておこうと思ったのが災いして電車をほぼ目の前で逃しました。気を取り直して乗車、今のうちに寝ておかないと……と思いつつも一向に眠くならない……普段電車では肘を折りたたんでTTポジションで寝ることが多いのですが、今日は寝れない……仕方なく今日観る映画の予習に勤しみます。こないだわざわざ政治経済学部の図書室まで行って借りてきた「2001年宇宙の旅:決定版」をお供に宝町まで。

決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)

新品価格
¥864から
(2018/10/14 20:53時点)


宝町とうちゃこ、そこから待機
宝町の駅を降りるとすぐに目指す「国立フィルムセンター」があるのですが、午前七時半にして長蛇の列が……やっぱバス乗らなくてよかった……と安堵しつつ列へ、自分は二列目の真ん中よりかなり前のところでした。多分私の前に100人はいたかと思いマス。丁度目の前にspecializedのショップがあり、アルカンシェルを着たサガンに見つめられてました///前はカップル? 後ろはギーク感のある人(自分も人のことを言えない)。その後ろにヤニカス(別にタバコを吸う人をディスりたいわけではないです、ただ、待機列なのに我慢できず列の中でスパスパしてたのでちょっと気になりました)という並び、小説の続きを読んで、ネットして、〆切が近いのでレイアウトの作業もして、と八面六臂のヒマつぶし、そのうち自慢のオシリが痛くなってまいりまして、石段の上だったのもありますが、姿勢が悪かった。途中腰を上げてストレッチをしつつ、気が付いたら八時半ごろ、職員の方に紙を手渡されます。ありがとうございます、と爽やかに挨拶を返しつつ見ると……転売防止策についてがつらつらとかいてあります。どんだけヤバかったんだコレ……なんて思いつつ、注意事項を確認「身分証」の文字に一瞬戸惑いましたが、学生証とこないだ病院行った時の保健相があるので一安心、そのままサガンと見つめあっていると、今度は三列目が目の前に出来始めました。手前のカップルに話しかける映画通のおじさんがいて、何となく耳に入ってきてたのが見どころ、どうやら昨日の回も観たらしくて熱く語っておりました。私も小耳に挟みながらためになる部分が多々あり、一本後の電車に乗ったのも悪くなかったかも知れないと思いました。
案内開始、無事に午後の当日券を入手
午前十時前、ようやく案内開始、自分のところから見えていたよりも多くの人がいて、これ午後のチケットすら怪しいな……などと思っていましたが、当日券午後の16番目でチケットをとれました。自分が受付まで来た時点で既に午前の部は89番まで埋まっておりまして、やはり席をしっかり選んで満足のいく状況で映画を鑑賞したかったので午後を選択しました。
そこからはまたヒマつぶし
東京何とかスクエアの椅子で小説の続きを読みふけり、飲食店の開店を待ちますが、そう簡単に問屋が卸してはくれませんでした。ほとんどすべての店が日曜定休、仕方ないのでその辺で蕎麦屋でも探すかと練り歩き「美の」とかいう雰囲気のいいお店を発見、念入りにメニューをみて支払い能力があることを確認して入店、海老天重をいただきました。デザートまでついてこのボリュームで1500円、プチ贅沢です。その後はドトールにて作業の続き、二時半には店を出て再びフィルムセンターで待機を開始、途中フィルムセンター発行の雑誌を購入したり、アンナ・カリーナのポスターの写真を撮ったりとしている間にいよいよ人が多くなってまいりまして、すわこいつは大変だと思っておりました。
遂に案内開始、劇場へ
三時に案内が開始されるとそこからが早かった。途中チケットのところで呼び出しの声を聞きそびれて危うくお釈迦になるところでしたが、何とか間に合って劇場内へ。今後行かれる方は呼び出しを聞き漏らさないように、私は周りのシネフィルの皆様がお声掛けくださって助かりましたが……。場内に入ると、午後の16番目のだったにもかかわらず、素手の真ん中の列の席はほとんど残っていませんでした。前売りの人がいますからね。しばらくうろちょろしてましたが、先ほどのおぢさんの言葉が気になって真ん中の二列目の席に決定、首が痛くなりそうでしたが、そこはポジションで工夫、ロードバイクの知恵が活きてます(大嘘)。
上映開始
席に着いてからほどなくして今回の特別上映の企画者の方からの前説が、まず転売対策で手続きが面倒になってしまったことと上映回数の少なさに対する謝罪から入っておりまして、そんなに腰を低くしなくてもいいのにとこちらが気後れしました。その後は上映に際してのこだわりについて説明があり、是が非でも限界まで五感を開いての鑑賞を決意しました。そして間もなく場内が暗くなりはじめ、前奏曲がスタート、MGMの1968年当時の上映案内に従っているので、カーテンは閉じたまま、しばらくしてカーテンが開き、いよいよ上映がスタート。
タイトルの出てくるシーンでの「ツァラトゥストラはかく語りき」なんかはもうやばかったですね。前の方の席にしてよかったなぁ……なんて思いましたもん。6chサラウンド、全方向から包み込むような律動が体中に伝わってきました。いや、最近の劇場は全部そうでしょってツッコミが入りそうですが、そういうあれの域を完全に超えてました。ただ身体に響くのではなく、さらに身体の中で反響してくるような感覚というか……全身の細胞が活性化していくのが分かるような……言葉足らずで申し訳ない……総毛立ってしまいます。
おなじみのお猿がモノリスに触れるシーン、なんやこの手抜き感は……となるのは毎度のことですが、そこはクリストファー・ノーランが自ら「アンレストア版」と銘打っただけあって色彩、そして音響の効果+原作を読んでいて内容が分かっている、の相乗効果で随分と楽しめました。フィルムに入ったちらつきやごみ等、ホントに当時のものを見ているような(もとのやつは知らないけど)感じでした。どちらかというとその後のドッキングシーンの方が退屈、はよドッキングせんかい! と切れそうになりますが、これがもともとシネラマスクリーン向けに作られていることを考えると、観客の旅行感覚に寄与する部分としてはなくてはならない場面であることは明白なので何とか集中力を保ちつつ頑張る。フィルムアーカイブのスクリーンもやや湾曲しているので、前の席だとやっぱり包み込まれているような感覚がありました。そして何と言っても画面の密度がすごい、今の映像技術でいうと4k、IMAXと色々ありますが「質量を保持した映像」ということになるとこの70㎜フィルムほどのものはないのではないかと思わされるほどの特別な映像です。そしてありとあらゆる造形の新しさ、これはまぁ何で観ようと変わりませんが50年経った今でも全く色あせることのない部分だと思います。そしてモノリスとの対峙のシーン、響き渡った金属音は箱の小ささと相まって、本当に脳内に響き渡ります。アーカイブの方も「ホールが小さい分反響して音を楽しんでもらえると思います」なんて冗談めかして前説でおっしゃっていて、会場は笑いに包まれましたが、まさにその効果は絶大でした。
ところ変わってディスカバリー号、ここにもところどころ「シネラマ」を意識させる構図が見られますが、カメラワークなどの妙も楽しめます。そして、HAL9000の登場、自分は「マクロスプラス」のシャロン・アップルの本体を思い出してました。まぁ、あっちがオマージュなわけですが……小説版でもそうですが、なかなかに軽妙なHALの語りは「6人目の船員」として相応しいふるまいです。そしてデイブやフランクが食べている飯のマズそうなことと言ったら! 小説版で補完すると見た目はあれでも味はいいとのことでそのギャップも想像しながら楽しんでました。そして色々あって、AE35ユニットの故障を予測するHAL、ここでボール的なあれが修理に出撃、ろくにワイヤもないのに突っ込んでいくフランクにビックリ、いかんでしょそれじゃ……みたいな。小説版だと一応紐つけてますよ、みたいな描写はあるのですが……
いやーしかし、空気の存在する部分とそれ以外の真空の場面とで音のある状態と無音の状態とが切り替わる、これは本当に素晴らしい演出だと思いました。無音になった瞬間、スクリーンの中の真空、宇宙空間は劇場全体に伸長し、恰も劇場がそのままスクリーンと繋がった空間のように錯覚させられます。字幕を別スクリーンに映し出したアーカイブの人の機転のお陰でもありますが、まったくの無音の空間がスクリーンの「こちら側」にも生まれることによって、空間の垣根が取り払われるような作用がありました。あまりにも静かすぎて咳をしてしまったときは申し訳ない気持ちで一杯でした。もしこれを読んでいる方で「咳が気になった」という方がいたらこの場を借りてお詫びしたいです。本当に申し訳ありませんでした。生理現象なので……とか言い訳は致しません。あの空間では咳すら映画の作用をダメにしかねません……携帯の音を鳴らしてる人もいてムムム……って感じではありましたが……
その後のHALとの対話、赤いカメラが画面に浮かぶあの絶妙な「間」がなにかこう恐怖に近い感情をかきたててきます。小説版のあとがきに書いてあった「死者」「沈黙したもの」としての「白」と「生命」「活動するもの」としての「赤」の対比を「刷り込まれている」というのが感じ取れるからでしょうか、HALが「私は生きている」と映画内で主張していることが如実にあらわれていることもその「恐怖」の原因ではないかと思います。ヒューマンエラーやろ、と意固地に主張するHALはこの段階ではまだ可愛く見えます。
しかし、その次のシーン、2人の宇宙飛行士がポッドの中でHALの異常について話す様子をカメラを通して読唇術を用いて監視するHALのシーンでは最早その前にあった可愛らしさは何処かへと飛んでいき、無音の効果とともに恐怖は波頭となって襲いかかってきます。そしてHALの凶行、フランクをポッドで殺害? そして助けに出たところを閉め出し&コールドスリープ民も殺害、とメチャクチャやるHAL。そのわりに記憶モジュールを抜こうとすると急に弱気になる……このしおらしいことと言ったら……
ここはやはり画面の密度をより強く体感できる部分ですね。70mmフィルムでないと再現できない画面のきめの細かさが迫ってきます。特にHALの真のミッションが知らされる場面でアップになるデイブの顔の独特の密度感や精細な感じは4Kとかハイビジョンとかなんとかかんとかでは絶対に再現できないと断言出来ます。映画通のおぢさんもデイブの顔のアップを例にして画面の細かさを語ってました(笑)
さて、これで一段落ではなく、ここからがこの映画、もといこの上映の本領発揮、難解だ難解だと揶揄される「スターゲイト」のシーン、ここから単純な面白さだけではない、この上映の真価が現れてきます。私はこれをもって感想シートに「映像体験」が「経験」まで昇華された(意訳:この映画は「体験」という言葉がさしている個人的、主観的な体験の域を超え、最早一般的な「経験」と言っていいほどの作品となっている)。と語りました。
最初モノリスが少しずつ迫ってきてスターゲイトに入るまではまたシネラマ感たっぷりだのぉ……と息を整えていられますが、その後はもう大変でした。圧倒的な色彩の乱舞、極彩色の世界への突入、湾曲スクリーンとポジション前めだったことが奇跡的に功を奏しまして、そこからは意識がトリップしたような感じでした。先程言ったスクリーンとそれをしきるものが消える、と言ったのがここで極致を迎えます。画面内からこちら側に向けて飛んでくる光は観客の後ろへと流れていきます。そして光の群れを抜けての大陸のシーン、音、光、二つの色彩の怒濤、しばらく頭からあの映像と音が離れなくなるほどでした。
そしてホテルの一部屋、一つ先の部屋には誰がいるのか……デイブの息遣い、鼓動は知らず知らずのうちに私のものと同期していました。はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……とても落ち着きません、気がつけばジジイがご飯を食べていて、ベッド、指差して先には……謎の赤ん坊……
全身の毛が逆立ち、興奮に足がガクガクしました。性的快楽にも似た感覚に震えます、そして会場にこだまする拍手の音、この上映のために力を尽くしてくださった技師さんたちに惜しみ無い賛辞が送られます。追い出し音楽が流れ、もう一度拍手、これほど素晴らしいことはありません。感動にうち震えるばかり。
劇場を出てアンケートに記入、企画者の方に「ありがとうございました」と挨拶をして劇場を去ります。もうなにも考えられませんでした。ただただ圧倒的な経験でした。
上映に関しては明日、明後日で最後です、待ったとしても絶対に後悔しません。他にもIMAXでの上映や新たなBlu-rayの発売など、まだまだ「2001年宇宙の旅」を楽しむことが出来ます。それでは……おやすみなさい。

2001年宇宙の旅 HDデジタル・リマスター&日本語吹替音声追加収録版 ブルーレイ (初回限定生産/2枚組/ブックレット&アートカード付) [Blu-ray]

新品価格
¥3,918から
(2018/10/14 20:51時点)

NO IMAGE
最新情報をチェックしよう!