2019年の登場以来軽量エアロオールラウンダーとして愛されてきたSCOTTのADDICTが2025年モデルでついにモデルチェンジ!!
新型の完成車重量はなんとブランド最軽量の5.9kg!というわけで「Scott Addict RC」の紹介です。
プロレースでは新型FOILの影に隠れて最近あんまし出番がなかったADDICTくん、これを機にレースでの活躍に期待がかかります(軽すぎてトップモデル出せないとかありそうw)。
https://bikerumor.com/all-new-addict-rc-is-scotts-lightest-road-bike-ever-from-under-5-9kg/
新型ADDICTについて
このバイクは、Scottがこれまでに作った中で最軽量のロードバイクで、既に軽量だったフレームセットから驚異の300gを削減し、トップモデル「Ultimate」では1kgの軽量化を実現しています。
このため、間違いなく史上最軽量の量産型ロードバイクの1つであり、クライマーにとって夢のような一台です。
それだけでなく、最新の統合技術、レースに十分対応できる剛性とハンドリング、ライダーの快適性向上、さらに下り坂でもスピードを維持するためのエアロダイナミクスなどを取り入れ、現代のレースバイクとしての実用性も確保しています。
もちろん、Scottの完成車「5.9kg Addict RC」完成車が非常に高価になることは予想できます。
しかし、この軽量な設計を基にしているため、エントリーモデルである「105」仕様でさえ非常に軽量になることが期待されています。
新型の概要
新型のScott Addict RCは、前モデルから5年以上ぶりに全面的な再設計が施されました。一見すると大きな変化はないように見えますが、2019年に登場した前モデルも既に高度なバイクでした。
しかし、新型では、トップスペックのプロレース対応モデルの重量を1kg削減するだけでなく、さらなる改良が加えられています。
Scottのデザイナーたちは、ライダーが好みのホイールやタイヤを自由に選び、より幅広く、より空力的に優れた組み合わせを選んでも、完成車の重量をUCIで規定されている6.8kg以下に収められるように設計をスタートさせました。
新型Addict RCは、軽量化と剛性のバランスを追求し、最新の統合技術やエアロダイナミクスの向上、ライダーの快適性を高める設計が施されています。これにより、クライマーにとって理想的なバイクでありながら、現代のレースバイクとしての実用性も兼ね備えています。
新型のScott Addict RCでは、フレーム内部の構造に大きな改良が施されています。
Scottは、軽量なカーボン製マウンテンバイクフレームの製造で使用している膨張性ポリプロピレンインサートを、この新しいロードバイクにも採用しました。
これにより、フレーム内部の成形精度が向上し、モールド内のデッドエンド(行き止まり)を排除することで、余分な樹脂を削減しています。
その結果、強度と剛性を維持しながら、フレームの軽量化を実現しています。
要するに、フレーム内部のカーボンと樹脂の配置をより精密に制御することで、無駄を省き、効率的な構造を達成しているのです。
新型Addict RCは、従来と同様にシートステイを下げたデザインを採用していますが、FoilやPlasmaからインスパイアされた空力最適化をいくつか取り入れています。
これにより、空力性能と重量削減のバランスが取れたフレームとなり、レースでの実用性とライダーのパフォーマンスを最大限に引き出す仕上がりになっています。
新型のScott Addict RCの特徴的な改良点の一つが、ケーブルの内部配線です。
前モデルのAddict RCもケーブルを完全に内装化し、1.25-1.5インチのテーパーフォークを採用していましたが、新モデルではヘッドセットと内部ケーブルルーティングの経路が改良され、ヘッドチューブの幅をさらに減少させています。
これにより、正面投影面積を10%削減することができました。
新しいテーパーステアラーの詳細な仕様はまだ公開されていませんが、Scottによると、フォークコラムの断面が27.2mmの偏心プロファイル(1 1/16インチ)で、標準的な1 1/8インチよりも小さいサイズとなっています。
この小径のコラムにより、全体をスリムに保ちながらも、ステアリングの剛性を維持しています。
ただし、このモデルでは、空力よりも軽量化戦略を重視し、フレームの中でも特に剛性と軽量化が重要な部分を優先的に設計しています。
快適性について〜ワイドタイヤとシートポスト
新型Scott Addict RCの快適性向上に大きく貢献しているのが、より幅広のタイヤです。
現在では、多くのプロライダーが、転がり抵抗の低さ、グリップ力の向上、そして長時間の快適性を求めて30mmのタイヤを選ぶことが一般的になっています。
そのため、この新型バイクでは30mmタイヤを標準装備としています。
さらに、新型Addict RCは最大で34mmまでのタイヤクリアランスを備えており、幅広タイヤを装着することでさらに多様な地形や走行スタイルに対応できるようになっています。
これにより、ロードレースからロングライドまで幅広い用途に適応できる設計となっています。
新型Scott Addict RCでは、シートポストとその固定方法に大きな改良が施されています。
トップチューブ上部からの新しい内部ウェッジクランプ方式を採用し、カーボン素材への負担を軽減しています。
これにより、SLシートポストの壁厚を薄くすることが可能となり、適度なフレックスを持たせて快適性を向上させています。
さらに、新たにCFシートポストオプションも追加されました。
こちらはやや重量が増しますが、上部の深さを減少させることでフレックス性を高め、ライダーの快適性を30%向上させるとされています。
主な特徴
超軽量HMX-SLカーボンまたはHMXカーボンフレームセット
完全内装ケーブルルーティング(ヘッドセット経由)
電動シフターとディスクブレーキ専用
27.2mm偏心カーボンステアラーチューブフォーク(標準の1 1/8インチではなく、1 1/16インチ)
40g軽量化された新しい一体型Syncrosハンドルバー+ステムコックピット
70%軽量化された12gの3Dプリント製Syncros GPSマウント
独自のD型エアロシートポスト(軽量SLバージョンまたは快適性向上CFバージョン)
内部ウェッジ型シートポストクランプ
12mmスルーアクスルとフラットマウントディスクブレーキ
PF86.5ボトムブラケット
最大タイヤクリアランス34mm(完成車は30mmタイヤを装備)
モデルと価格
Addict RC 30
HMXカーボンフレーム
Shimano 105 Di2グループセット
アルミハンドル&ステム
Syncros Capital 1.0カーボンホイール(40mmハイト)
カラー:アッシュピンク、カーボンブラック、ホエールグレー
$5000 / 5000€
Addict RC 20
Shimano Ultegra Di2
カーボンハンドルバー
カラー:カーボンブラック、ハッシュドピンク
$5700 / 6000€
Addict RC 10
Shimano Ultegra Di2
新型1ピースSyncros IC R100 SLカーボンコックピット
DTハブ&エアロスポーク採用のCapital 1.0Sホイール
カラー:イエロー、サンビームブラック
$6600 / 6700€
Addict RC Pro
Shimano Dura-Ace Di2
同上コックピット&Capital 1.0Sホイール
$9000 / 8700€
入荷時期について
欧州では新型Addict RCはすでに注文可能で、数週間以内に販売店に入荷予定です。
12月にはお近くのScott販売店で購入可能となり、価格を気にしなければホリデーシーズンのギフトにも最適です。
まとめ〜「エアロオールラウンダー」からクライミングマシンに回帰?〜
先代は「エアロオールラウンダー」に先鞭をつけた記念碑的な一作でプロレースでも目立ってましたが、Foilの新型がうっかり軽くなっちゃったせいで雌伏の時を過ごしていた感がありました。
SCOTTの新型Foil2023モデルの海外インプレ~エアロかつ快適なオールラウンダー?~
ここに来てADDICTシリーズの原点であるクライミングマシンに回帰してきましたね。