世界のシマノから発売された「CUES」MTBの下位コンポーネント群をまとめてパーツごとの互換性を持たせたナイスなプロダクトでしたが、ついにロード用が発売されるかもってお話です。
https://www.bikeradar.com/news/shimano-cues-drop-bar
https://www.bikeradar.com/news/cues-drop-bar-release-date
きっかけはドイツブランドCUBEのうっかり
さて、なぜこんな話になったのかというと本国ドイツでは大人気なブランド「CUBE」が新モデル発表に際してうっかり新型コンポを載せちゃったのが原因です。
エントリーグラベルモデル「Nuroad」の発表に際して出てきた画像、良く見るとなんかコンポ新しくね? ってなってよく見たら新型だったってのが事の発端です。
この新しいグラベル向けのワイドレンジグループセットが、GRXとティアグラの間のギャップを埋める可能性があります。
そもそもCUESってなによの話
冒頭でもちょいとふれておりますが2023年初頭に発売されたCuesは、シマノのエントリーレベルのAlivio、Acera、Altusのグループセットを統合し、9速、10速、11速のドライブトレインコンポーネントを網羅したラインナップです。
Cuesのラインナップには、2xのマウンテンバイクやクロスバイク用コンポーネントも含まれていますが、基本的にはあらゆる分野に対応する手頃な価格の1xドライブトレインを提供することを目的としていました。
Cuesの発表当時、シマノは予算重視のTiagra、Sora、Clarisのロードバイク用グループセットを段階的に廃止することも発表していました。
シマノは、ドロップハンドル版のCuesがこれらのグループセットに取って代わることを確約しなかったものの、多くの人が期待している互換性の高いドライブトレインに関して強く示唆しました。
※ライバルであるSRAMはAXSで滅茶苦茶互換性が高い
SRAMの新型Rival ETAP AXSの海外インプレ~鬼コスパの無線電動コンポ(追記:実測重量アリ)
ロード用Cues(仮)は何がアツい?
ここまで述べてきたように未発表のドロップハンドル版のCuesは、シマノのプレミアムなGRXグラベルバイク用グループセットと、予算重視のロードバイク用グループセットの間のギャップを埋めるものになりそうです。
注目すべきは、このバイクには既存のCues RD-U6000-GSリアディレイラーが搭載されており、新しいCues BR-U6030ドロップハンドル用レバーが、フラットバー用の同等品と同じケーブルプル比を使用していることが確認された点です。
Cuesが互換性の向上に焦点を当てていることを考えれば、ここまでは既定路線なのでビビるほどのことではないですこと。
ただ、ここで重要なのはシマノの機械式ドロップハンドルとフラットバーのコンポーネントが9速時代以来初めて公式に互換性を持つことになった、ってことです。
11速のラピッドファイアーと105をちゃんぽんして最速クロスバイク作ってる人とかいましたが(小生も最近渋谷で見かけました)あれはあくまでもやってみたらいけた例で保証はされてなかったわけです。
それが保証されるってのはメチャデカいと思います。
気になる個別のパーツについて
ここまで来ると個別のパーツが気になってくるところですが、レバー自体は既存のシマノの油圧式ロードバイクレバーに非常によく似ています。
そのうえでカセットスプロケットはワイドレンジのCues CS-LG400 11速11-50tカセットが組み合わされています。
シマノの最新の12速GRXグループセットも、ワンバイであれば同様にワイドなカセットと互換性があります。
一方でCuesはGRXよりも低価格であることが予想されるので、新しいグループセットは、シマノの最も安価な1xドロップハンドルグループセットになるはずです。
発表されたバイクでは、クランクセットはCubeの自社ブランドであるAcidのものが使われています。
1xドライブトレインに焦点を当てていることを考えると、ドロップハンドル用のCuesグループセット全体も、フラットバーのモデルと同じか非常に似たクランクセットオプションを使用すると予想されます。
このバイクにはKMCのxGlideチェーンが使用されています。
シマノのCuesグループセットは、シマノのLinkglideテクノロジーを採用しており、残念なことに既存の11速チェーンとは互換性がありません。
これはCuesに対応する最初のサードパーティ製Linkglideチェーンになるかもしれません。
CUBEのNuroadというバイク
ここまでコンポばかりが話題に挙がっていましたがNuroadは、Cubeのアルミグラベルバイク(オールロード)です。
リラックスしたジオメトリーと広いタイヤクリアランスを組み合わせ、マッドガード、キックスタンド、ラック用のマウントを備えており、Cuesが幅広く装備されることが予想されるバイクの典型的な例だと言えるでしょう。
Nuroad Proの価格が£1,199 / €1,199≒19万円くらいであることも注目すべき点です。
この価格帯になってくると、シマノの既存のGRXコンポーネントやSRAMのApex Eagleシリーズを使用して他の部分で妥協することなく完成車にできるブランドはほとんどありません。
これまでのところ、Cuesを搭載したドロップハンドルバイクは1台しか確認されていないため、2xコンポーネントの可用性やドロッパーポストの互換性、価格については推測できません。
ということで情報元の記事でもシマノにはコメントを求めている状況でした。
シマノ公式からコメント来ちゃった
シマノ公式
シマノCuesドロップハンドルに関するお問い合わせありがとうございます。
シマノは、OEMパートナーと密接に連携し、市場に提供される新製品情報が正確であることを保証しています。
シマノCuesに対する熱意には感謝していますが、製品の発売、価格、仕様に関する推測については、すべてが最終決定され、発売準備が整うまでコメントを控えたいと思います。
当該製品はOEMのウェブサイトから削除されましたが、2025年初頭にさらなる情報を提供いたします。
つまり、2025年の第一四半期には何らかの動きがある……てコト!?
ま、もうこんだけ言ったら認めてるようなもんなんですが、2025年にはロード用CUES、出ます。
Cuesの特徴と他製品との違い
Cuesは互換性に重点を置きながらも、既存のシマノ製品とは異なるケーブルプル比やドライブトレイン技術を採用しています。
これは、シマノのロードバイクやグラベルバイク用グループセット(例:GRXやSora、Tiagraなど)とは異なるシステムです。
そのため、他のシマノ製品の発売(例えば、期待されている新しいXTR Di2ドライブトレインや1x GRX Di2グループセット)とは連動していない可能性が高いです。
発売時期の推測
Cuesのリリースは、他の新製品発表とは無関係であることを考慮すると、シンプルに春の自転車販売シーズンに合わせ、エントリーレベルのバイク市場向けに発売される可能性が高いです。
特に、予算重視のグラベルバイクやロードバイクでのSora、Claris、Tiagraの置き換えとして、Cuesが多く採用されると予測されます。
今後の展開
既存のCuesが他のバイク(例:Merida Silex 200グラベルバイク)に搭載されていることから、2025年のモデルにはCuesのドロップハンドルバージョンが広く採用される可能性が高いでしょう。
シマノの次の大きな発表に向け、さらなる情報のリークや詳細が発表されることを期待できます。
続報を待て
ロードバイク不況、自転車業界はもう終わり!! とかインフルエンサーマーケティングがいけないとか市場は過熱して顧客は置いてけぼり……とか喧々諤々言われてる中で、ロード用CUESは一つ光明になりそうです。
安くて耐久性の高いコンポが出ればエントリーバイクも出せて自転車業界の裾野を広げることにもつながりそうですし、互換性を持たせることで消費者は楽しく、シマノさんとしてもラインナップを多少なりとも圧縮してコストを削減、みんなニッコリです。
互換性の高さを生かしてめちゃくちゃできそうなのは小生としても興味ありです、母チャリ、弟チャリを改造したら楽しそうだな、なんて考えてます。