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日本SF傑作選──小松左京──SF界の知の巨人の描く世界

  • 2019年3月16日
  • 2021年8月22日
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どうも、せんちゃんです。

久しぶりに本の紹介、春休み中はなんもしてない分、本は読んでます。

本日はコレ「日本SF傑作選──小松左京──」です。このシリーズは大学にも置いてあって結構読んだんですが、ずっと借りられちゃってて無かったんです。それが地元の図書館に揃ってたもんで、喜び勇んで借りてきたわけです。

日本SF傑作選2 小松左京 神への長い道/継ぐのは誰か? (ハヤカワ文庫JA)

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小生恥ずかしながらSF好きを公言しておきながら小松左京氏の作品は短編「ゴルディアスの結び目」しか読んだことがありませんでした。海外SFと筒井康隆、眉村卓それからアンソロジーの短編集ばっかし読んでたもので……

この傑作選は初期の短編と長編一本が掲載されていて、時間SFは「地には平和を」「時の顔」「御先祖様万歳」アイデアSFは「紙か髪か」「お召し」災害SFが「物体O」人類SFともいうべきものに「神への長い道」「継ぐのは誰か」の計八本入ってます。「継ぐのは誰か」は文庫一冊分くらいあるので全部で700ページ超、かなり楽しめます。後半の中長編二つは後述の引き出しの広さ、深さに起因する圧倒的なスケールが必読です。

感想
一般にSF作家は引き出しが大変広い、「 SF」という分野はある程度の科学的、或いは疑似科学的な考証をつけられれば何はなくともそのジャンルに類するものとして位置付けることが出来る、言わば「何でもあり」なのが特徴なのだから当たり前のことだが、さらにこの小松左京氏は引き出しが大変広いだけでなく、極めて「深い」のだ。その「広さ」「深さ」はSFの中の小ジャンル(歴史SFとか、伝奇SFとか)だけでなく、「学問」にも及んでくる、着想、考証ともに所謂「science」な領域外からのものを多分に取り入れることによって、二倍、三倍、それ以上の展開を実現し、その中で醸成されていく総体としての「ストーリー」は大小様々な知的営為の集積無くしては辿り着かない涯てのような景色を垣間見せてくれる。

嗚呼、小生は今……すごいものを読んでいる……静かな感動が小波を立てて広がっていく……いつもの本の紹介なら、あらすじの一つでもつけるところだが、それはしたくない。楽しみをスポイルしてしまうだろうから……

是非、そんな知の巨人のSFの世界に耽溺してみて欲しい。

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