どうも、せんちゃんです。
タイトルの通り、酷い目に遭ってきました。
というわけで今回のサイクリングのお話です。
始まりはいつも突然に
先日、家で「グッド・ネイバー」という映画を見ながらダラダラ翌日のトレーニングのことを考えていたところ、ちょっと前のブログでも登場した高校時代の友人からLINEが来て「酒匂川サイクリングロード」に行きたい、とのことだったので、二つ返事で承諾、これが悲劇の始まりでした。
参照:https://overwhelming-growth.com/post-3246
ニューマシン「S5」のメンテナンスを済ませ、ビンディングペダルにペダルプレートを付けて、万全の準備をして、翌朝まだ暗いうちに出発です。
やっぱり「S5」は強い
何をどうやってもS5は速いです。
正直ちょっと遅れるかな、という時間に出ましたが、普通の速度域からしてまず違います。圧倒的なスタビリティに任せてダウンヒルも攻められるし、剛性の高さからクライミングも十分、平坦の巡行も言わずもがなで約束より15分早く着きました。
ただ、このログが飛んでて見られないのがマジで残念です。確実にPRをいくつか更新していました。
難なく小田原着、しかしサイクリングロードが見当たらず
鎌倉由比ガ浜に集合し、軽くしゃべってから一路小田原へ、前回に比べて風がなく、かつ気温もやや高いため、スルスル進みます。
S5は海岸線の巡行がマジで気持ちいいです。
回しても、踏んでも速い、重量は軽くないのにペダリングが軽い、気持ちいい!
といいことづくめで大磯まで、大磯からは自転車道を通って一国まで抜けるのでその前に鼻をかむために休憩……。
そのままゆるっと小田原着、途中ロードに抜かれて柄にもなく追いつこうとしてしまいましたが、よく見たらTTバイク(しかもサーヴェロのP5)だったのでトライアスロンの方々でした。
目指す酒匂川サイクリングロードを探し、見つけたのは何とも怪しい川沿いの未舗装路、並みのロード2台では走れません。
GPSを確認すると、南無三! 隣の川でした。
慌てて戻ること15分、本来の酒匂川サイクリングロードに到達しました。
酒匂川サイクリングロード:景色はいいが、舗装はプア、幅も極狭
ここからが大変でした。
右には丹沢、左には足柄、箱根の峰々を望む川沿い、ということで、開放感抜群のロケーション、景色は綺麗です。
しかし、舗装が悪い、ガタガタな上に雑な分岐が多く、ストレスが溜まります。もともとサイクリングロードでは飛ばすたちではありませんが、幅が滅茶苦茶狭いのにご老人たちが元気に散歩なんかしまくってるせいでものすごく気を遣いました。景色を見ながらゆっくりのんびり楽しむはずが精密なバイクコントロールを要求され続けて気疲れしました。
にもかかわらず30㎞/h以上で飛ばすノーヘルメットのロードはおるしなんだしでストレスでした。OPERAのロードが泣いとるぞ、あんな走り方したら、と呆れました。ゴール近くでは向かいからおんなじ奴が来てたので、サイクリングロードを周回しとるんやろな、とは思いましたが、もう少し安全に留意して走ってもらいたいものです。他人のことを悪し様には言いたくありませんが、あれは良くないです。
途中でサイクリングロードを外れて初代ロマンスカーを展示している「開成駅」へ、近くには「湘南シクロクロス」シリーズでおなじみの開成水辺公園がございました。
適当に走っているといきなり終点、そこから昼食を取ろうと山北駅を目指します。
ただ、この「山北駅」がくせものでして、周辺に飲食店はほぼゼロです。
かろうじてデイリーヤマザキがあったのでそちらでパンを買って食べました。
山北駅の観光案内には周辺に日本の滝100選だかなんだかに選ばれた滝があるということでそちらへ。
軽食を取ったのち、山北町の観光名所「酒水の滝」へ
駅から少し走ると酒水の滝でした。
法面の崩落があったようで、本来なら写真の橋よりもさらに奥に行けたようですが立ち入り禁止の看板があり、そこまでは行けませんでした。
滝自体は細いものの、思ったよりも落差があり、また朱塗りの橋が二つかかっている様子はなんとも風情のあるものでした。
と、ここまでは楽しく観光ライドを楽しんでいたわけですが
ここから地獄が始まります。
滝を見に行って、そんで小田原まで戻ってご飯食べて帰宅! でよかったのですが、何をとち狂ったのか「大雄山に行きたい」という友人。
翌日朝早いから日の出ているうちに帰りたい、と言っていたのを覚えていましたし、小生も葉山みたいな真っ暗になるところをシコシコ帰りたくないので頑なに反対します。
「ヒルクライムはやめておいた方がいい、俺もお前もデブだから」とか
「日のあるうちに帰れなくなる」とか「お前は鎌倉までだからいいが、そこから横須賀までは20㎞あるから」とか反対しましたが、一度言い出したらなかなか折れないのがこの男です。
ま、平たく言えば押し切られたんですけど(怒)
足柄広域農道~大雄山最乗寺、連続ヒルクライムで無事他界
ということで楽しいヒルクライムの始まりです。
まずは足柄広域農道を抜けます。
車は全然走ってませんし、適度なワインディングとアップダウンでここだけなら楽しめましたが、山に入ると事情が一変します。
急峻なスイッチバック、勾配が7%以上(小生は勾配6%からが死ぬほどダメです)の道が延々続きます。
途中お堂が見えてきてこれで終わりなんや! と思ったのもつかの間、前宮みたいなものだったらしく、看板には「大雄山最乗寺まで3㎞」との死刑宣告です。
そこからは3㎞の直登、既に脚は売り切れの閉店ガラガラです。
ようやく10㎞/h出るか出ないかのウンコヒルクライムを繰り出しながらひた走ります。ダンシングにキレはなく、パワーが出ません。ケーブルが擦れるギシギシという音が空しく響くのみ。
後ろからはここまでの100㎞近くをツキイチで来た山岳モンスターが叫びます。
「せんちゃん! 頑張れ頑張れ!もう少しだから!」
「うるせェー!ちょっと黙ってろ!(ヤケクソ)」
もう脚つきたくて仕方がありません、平均勾配8.7%、10%以上の峠を越えてきた脚は鉛のように硬く、重くなっています。
ケイデンスが60まで上がらない、既に36-32tのファイナル乙女ギアを使い切ってシフターを押してもギアは落ちません。手ごたえなくスカスカとシフターの空押しの感覚が指に残ります。
心拍は既に上がり切って、息を整える間もありません。
流石にS5に乗っていても、一晩でマルク・ヒルシのようにパンチ力のあるクライムをこなせるようにはなりません。何とかバイクの性能に頼って一歩一歩登ります。
そうこうしているうちに後ろの山岳モンスターがじれてきます。もともとのタフネスの違いもありますが、100㎞近く先頭を牽いてきた小生はもうダメです。
「すまん、脚をつくかもしれん、とりあえず山頂まではいくから」と伝えると
「何言ってんだバカヤロー、ロードバイク乗りなら足つきはダメだろ!」とか言ってくるわけです。
「ロードってさ、ほら、足ついたら負けみたいなところあるじゃん、俺にもその血が脈々と受け継がれてるのよ」とかのたまうわけです。
ぶっ〇してやろうかこの野郎、テメーロード乗り始めて1か月半の癖にいっちょ前の顔しやがって
と、思うのを必死にこらえます(こらえられてない)
あんまり頭に血が上るとそのままUターンしてイニシャルDを始めそうになるので「息を整えるから先に行ってくれ」と言うと
あの野郎、ガチで先に行きました。
む、無神経しゅぎる……(他界)
帰りは小田原~二宮のアップダウンで千切って一人で帰ろうとか思ってました。
そのままへーこら登り続けて、気が付いたら駐車場のところまで来ています。もうロードを停められるはずなのに、まだまだ上に登っていく奴の姿を見てガン萎えです。
駐車場の茶屋を過ぎるくらいで小生は完全にグロッキーです。
明らかにカロリーが足りていません。
ハンガーノックの諸症状と酸欠で目が霞んできます。全身の血管という血管が酸素を求めてガン開き、神経脊索を圧迫して末端までしびれが来ています。
口は半開き、鼻水は詰まりきって呼吸はもう論外レベル、脚なんか全く動かないのを無理やりキコキコ漕いで行ってようやく山頂です。
「もう無理、目が霞んでる、イク」とだけ伝えると、さすがに事の重大さを理解したのか、休憩が入ります。
今回補給食には先日買った「MANA BAR」を持ってきていました。
食べてみて思い出しました、いつかのMTBライドで食ったわ! と、まだ市販される前の段階の試供品の感想を聞きたい、ということでもらったやつです。
食べて、水を飲んで、としながらなんとか動けるまでに回復したので参拝
世界一デカい下駄も見ました。
道を間違えてガバガバの脚で奥の院まで行ってしまってさらにヤバい感じになったままおみくじを引くとなんと大吉、しかしここが正念場らしく、しくると大凶まで運勢が転落するのだとか、意外とこういうのは信じる質です。
下山、平地に出てしまうと意外と脚が回るので案内をヤツに任せて再び前を牽きます。
遅めの昼食「町田商店」にて味噌ラーメン
昼食は家系ラーメン「町田商店」にて
家系は食い飽きたのでとりあえず味噌ラーメンにします、濃いめの味がボロボロになった身体に染みる染みる。
塩分不足も深刻だったので、ガッツリ完飲しときました。
卍圧倒的ブチギレ卍漆黒の帰宅路
さて、ここからが問題です。すでに時刻は4時半を過ぎております。
小田原までは1時間半で着きましたが、帰りはそうはいかなそうです。大分風が出てきてしまっています。
小田原~二宮の二段坂で軽い渋滞、小生は交通ルールを遵守するタイプで余程のことがない限りすり抜けはしません。そのため、ジリジリと登っていると、後ろで再びじれてきたのか「渋滞だから流石に……」とか言い始めるので、ガチで呆れました。ポリシー云々もそうですが、軽い渋滞ですので、すぐに抜けられるのに後ろから言われてカチンときてしまいました。
「早く帰りたいなら先に行ってくれ、俺は後からゆっくり帰るから」そう声を荒らげると、そうじゃなくて、歩道に上がった方がいいとかなんとか、車から見てもあぶないからとかなんとか、この時点でもう完全に頭に来ちゃってました。
自転車も車も最近乗り始めたばっかりで、ようやく慣れてきたところやろ!これだからちょっと慣れてきて調子に乗る素人は困る(心の声)股が裂けてもこんなこと面と向かっては言えません。
よく二段坂を下りきったところで千切って一人で帰らなかったな、と改めて自制心が強くなったことを思います。高校までの小生なら100%置いて帰ってきてました。
まず一段目の坂のダウンヒルで千切り、二段目をパワーで押し切る、そのあと45㎞/hで2,3分巡行すればどっかで信号ストップが入りますから、これだけで千切って帰れたのですが、それはしませんでした。エライ。
大磯に着いた時にはすでに夕暮れ時、つるべ落とし、とはよく言ったもので、茅ケ崎ですでに真っ暗になりました。ここまで散々後ろからせっついてきていたやつもさすがに夜間走行には恐れをなしたのか、歩道を徐行で帰ろう、とか縮こまってました。
小生はある程度夜間走行に慣れているので車道でも全然ありでしたが、車の流れが速いので大事を取って歩道を徐行、行きの3倍くらいの時間をかけてようやく由比ガ浜に戻った時にはすでに18時半です。
真っ暗な中の帰宅決定、由比ガ浜でお説教をしてから帰路につきます。
怖くて嫌いな小坪トンネルだのなんだのを越えてゆっくりゆっくり帰宅。
全身が笑っていて、ご飯すら咀嚼できず、の状態でした。
筋肉痛で立てない……しばらく自転車は見たくない
翌朝、筋肉痛でもはや立てませんでした。
脚は勿論のこと、ヒルクライムで使った上半身の筋肉まで全部含めてバッキバキのガッタガタで這ってしか動けませんでした。
しばらく自転車は見たくない……と思うレベルでしたが、バイトがあったので早速自転車に乗るハメになりました。しかも帰宅時はペットボトル10本を抱えての激坂チャレンジまでこなしてます。なんだかんだ坂に負けそうになったのが悔しいんです。S5にまで乗っておきながら登坂であれだけ苦戦させられるとは思っていませんでした。
とりあえずプロテインを飲んでおく
もうマジで全身バッキバキのガッチガチでキツいので、とりあえずプロテインを飲んでおきます。あとBCAAも、マイプロ安くてホントに助かります。
VS山岳モンスター続編には期待しないでください(笑)
命の危険を感じるレベルのヒルクライムと暗黒ロングライドで説教したので、彼が反省(?)するまで次回作はありません、たぶん。