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ビアンキのカーボングラベルロード「ARCADEX(アルカデックス)」の海外インプレ

Bianchi初のカーボングラベルロード「ARCADEX」

写真はBianchi公式から

Bianchi初のカーボングラベルロードとして誕生した「ARCADEX」はロードバイクで培ってきたスピード感をオフロードエッセンスとマッチさせた新しいバイクです。

フレームは55サイズで1100gと軽量かつ最新のケーブル完全内装規格である「ACR」に対応しており、ここまでのレーシングカーボンロードの潮流に沿っています。

雰囲気としては3Tのグラベルバイクに似ています。

3Tから新型グラベルバイク「Exprolo Race Max」が2021年モデルで登場!(動画もあるでよ)

BikeRaderのインプレ

参照:https://www.bikeradar.com/reviews/bikes/gravel-bikes/bianchi-arcadex-review/

インプレの概要

アルカデックスに「究極の快適性」はない、だがオンロードでもオフロードでも楽しくライド出来る。

そして、他のどのバイクとも似ていない独自のルックスが特徴的だ。

評価:★★★★☆

良いところ:唯一無二のルックス、ロードバイクのフィーリングとグラベルバイクのバーサタイルな部分が上手にマッチしている。

悪いところ:他のグラベルバイクよりも「硬い」、カーボンシートポストじゃない、フォークにダボがない

ライドインプレッション

まずこの「アルカデックス」に乗って感じるのはちょうどスペシャライズドのディヴァージュに乗った時によく似た安楽椅子のような快適なポジションだ。

一方で、もちろんフロントのポジションを下げることも出来る。

デフォルトのポジションはかなりアップライトになっている。

安定したライドのペースを保つのにも役立つし、テクニカルな地形での不安感を軽減してくれた。

フレアバーについて

僕はまだ複雑な感情を抱いていて、その存在自体には懐疑的なのだが、オンロード/オフロードのミックスでのライドに合わせてビアンキはフレアバーを採用している。

ブラケットフードでは42㎝(サイズMの場合)で、オンロードではいつも通りに感じられる。

だが、ドロップ部分での幅は50㎝まで広がり、テクニカルで急峻な地形に入った時にでも十分対応可能なシャローベンドになっている。

オンロードでの性能

オンロードでは、アルカデックスは少しスタンドオーバーハイトの高い普通のエンデュランスロードのように感じられる。

37㎜のWTBのタイヤに引きずるような感覚はなく、トレッドのおかげで転がりも良い感じだ。

そして、パワーをかけても硬く、正確なフィーリングがある。

オフロードでの性能

オフロードに差し掛かると、確かにロードバイク的な特徴を残しているのは分かるのだが、ライディングポジションとフレアバーの選択がこのバイクが「グラベルロード」であることの証左となっている。

このことはタフな路面と格闘しているときにヒシヒシと伝わってくる。

バイクのジオメトリーについて

先ほどバイクのポジションはそれほど攻撃的ではない、という話をした。

ビアンキの開発者たちは近年のグラベルロードのジオメトリーの潮流である長いトップチューブ&短いステムというMTB譲りのあれやこれやを受け入れなかったようだ。

これらは少しでもいいハンドリングを提供しようという思考に基づいている。

ただし、実際に走ってみると、大した違いは存在しないのだ。

普通のバーとステムの組み合わせだが、だからと言ってハンドリングがだるい、とかそんなことはない。

一つ問題点を挙げるとすれば、ホイールとのトゥータッチの問題だろう。

それほど頻繁に起きるわけではないし、低速でバイクを旋回させているときに気になるわけでもない、僕が言いたいのは「マッドガード」を付けた時が心配だ、ということだ。

このバイクは間違いなく「最上級の」グラベルバイクではない、だから洗濯板のようなトレイルや根っこが這っている山中でリラックスしすぎるようなことは無いのだ。乗り心地に関しては微妙だ。

乗り心地が微妙なワケ

この原因はいくつか挙げることができる。

まず一点目はシートポストの規格」だ。

ビアンキは細身の27.2㎜ではなく、今となってはやや太めの31.6㎜を採用しているのだ。

細身のシートポストは基本的にしなりやすく、乗り心地はよくなる傾向にある。

しかし、31.6㎜のシートポストを採用することで、将来的にドロッパーポストを搭載できる可能性も出てくるため、一長一短といったところか。

いずれにせよ、この価格帯のバイクであれば、もう少し高くなってもかまわないからカーボン製のシートポストが欲しかったところではある。

もう一点はものすごくワイドスタンスなフォークレッグだ。

基本的にワイドスタンスの形状は前後の剛性が高くなりがちなのである。

乗り心地を改善するために幾つか考えられること

まずはチューブレスタイヤを導入することだ。

低圧での運用を可能にすることで随分乗り心地はよくなるだろう。

しかし、このバイクはサスペンションを備えた競合バイクたちのように、とんでもないタイヤクリアランスを持っているわけではないのである。

WTBの「Riddler」タイヤは非常にオールラウンドなタイヤで、イギリスのグラベル事情にはマッチしている。

本当のマッドタイヤに比べればアグレッシブさを欠いているが、ほとんどのグラベルバイクが装備しているようなセミスリックタイヤよりは確実にいい。

これはちゃんとした「グラベル」でこそ感じられることだが、このバイクは本当に速い。

ARCADEXはシンプルに楽しく、オンロード/オフロードの別を問わず走ることができる。私はこのバイクが好きだ。

ロードバイクのテイストを上手くアップライトなポジションに落とし込んでオフロードに適応させている

このバイクはまさしくいま市場にあふれているレース用グラベルバイクの対抗馬として、市場をリフレッシュする存在になるだろう。

それも過度にマウンテンバイクに寄せるのでもなく、オンロードでの走りを必要以上に重視することもなくである。

参照:ほぼMTBなグラベルロード

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ワンバイのギアレシオもオン・オフロードの別なく走るこのバイクにはふさわしいものになっている。フロント変速のことなど考えたくない。

だが40Tフロントシングル(シマノで選べる最も小さい歯数)に関しては素晴らしいと言わざるを得ない。

いつでも乗り手の求める適切なギアレシオが確保できるからね。

でも、もしかしたらかなりの量の荷物を運びながら急な坂を登ろうと考えているのであれば、このバイクはちょっと君の趣向からは外れてしまうかもしれない。

それから、もっと軽いギアが必要な場合、GRXだとこれ以上小さなギアはないので、サードパーティ製品を考慮に入れる必要がある。

総評

ARCADEXは驚くほど軽いわけでも、驚くほど安いわけでも画期的な訳でもありませんが、このバイクは単純にライドが楽しい。

そしてあなたがなんと思っていようと、人目を惹くバイクであることも同様に確かです。

グラベルロードは急速に発展しつつあるジャンルですが、人によってその意味は違います。

そのため、すべての人の願いを叶えることのできるバイクは存在しません

もしあなたが限りなく「ロードバイク寄り」のグラベルロードを欲しがっていて、それでいてリラックスしたポジションで乗りたいと考えているのであれば、このバイクはまさにあなたのための一台といえるでしょう。

多くのグラベルロードのように、このバイクも多くのことをこなせますが、一つ覚えておいてほしいのはバイクの性能を制限してしまう唯一の、そして最も大きな要因は「乗り手」なのです。

訳者まとめ:ビアンキらしいレースエッセンスのグラベルバイク

ビアンキは老舗なだけあってシブいところでいぶし銀なこだわりを持っているブランドですが、今回はファインチューンといったところでしょうか、過度にグラベルグラベルしすぎてMTBのまがい物になるでもなく、エンデュランスロードに毛をはやしたわけでもない絶妙なラインを攻めてきてますね。

オンロードでの走りに気を遣っているのもビアンキらしく、レース用のグラベルバイクとしてはかなりいい線いっているのではないでしょうか。

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