え~みなさま……本日も圧倒的に、成長、しておりますでしょうか?
小生は今日も圧倒的に成長し疲れております。
そんな今日はついに出た! とか言っときながらもう出たの? って感じの2×13速コンポーネント、イタリアはカンパの新作、SuperRecord13の海外インプレをお届けします。
13速コンポーネントの歴史?
13速コンポーネントと言うと、「アレ」思い出しませんか?
もう6年とか前のことで月日の流れに震えておりますが13速コンポーネントが最初に登場したのは2019年、スペインのROTORが油圧1×13速とかいうクソキモコンポーネント(誉めてます)である「UNO」を発売したのが最初です。

↓シクロワイアードさん
https://www.cyclowired.jp/news/node/289062
鳴り物入りで出てきて話題を呼びましたがハブが専用でホイールの選択肢があれだったり、変速まで油圧だからメンテナンス性があれだったりと時代を先取りしすぎて結果時代に咲いた徒花でした。
2020年とか、小生がS5組もうと海外通販見あさってたころによく特価販売されてました。
で、次に登場したのがグラベル向け1×13のコンポーネント、カンパニョーロのEkar(エカル)でした。
カンパニョーロ13速グラベルコンポーネント「Ekar」の海外インプレ&スペック(重量)
Ekarはそれなりにセールスが良かったのか後継モデルが出ていたり、コンポーネントとして充実した生活を送っている感がありましたね。
カンパニョーロから新型グラベルコンポーネントEkarGTとグラベル/ロード兼用アルミホイールZONDA GTが登場!!
が、その後マスプロメーカーで2×13sにチャレンジするメーカーはなく、シマノ、SRAM、カンパが12sで横並びになっており、モデルチェンジのたびにすわ13sか⁉ とドギマギさせられましたがついにカンパが13s時代の先駆者となりました。
前作は軽いけどデカくてダサい、サムシフタ―とともにプライドも捨てたのか⁉ みたいな感じでしたが、今作はどうなんでしょう、ってことで本題に入ります。
カンパニョーロの新型ワイヤレスコンポーネント「Super Record Wireless」の海外インプレ
Bikeradarのインプレ

インプレのまとめ

Super Record 13は、第一印象ではカンパニョーロの復活を予感させてくれました。
進化したエルゴノミクスと変速性能もそうですが、価格も安くなっています。
メリット:高速で静かな変速、軽い、エルゴレバーのエルゴノミクス向上、競合にと比べても競争力のある価格
デメリット:サムシフタ―がみんなに合うかは分からない
前モデルからわずか2年余りを経て、カンパニョーロは世界初の2×13速ワイヤレス電子式ロードバイクグループセット「スーパーレコード13」を市場に投入した。
カンパニョーロの前作「スーパーレコードワイヤレス」は、発売当初は微妙な反応だったね。
でも、スーパーレコード13では、歴史あるイタリアのブランドが性能面で数多くの進歩を遂げつつ、ファンに人気のあるオプション(大型のチェーンリングとか、特徴的なサムシフタ―)を復活させたんだ。
依然として高価な製品なんだけど、パワーメーターなしの価格が£3,900 / $4,750 / €4,300と、シマノやSRAMの類似製品と競合できる水準になった(訳者注:ヨーロッパの話ね、日本ではグループセットで80万とかします)。
発売に先立って僕はイタリアのヴィチェンツァに招待され、新グループセットの試乗とカンパニョーロの本社・工場訪問を行ったけど、グループセットの性能とカンパニョーロのメイドインヨーロッパへのこだわりに感銘を受けまくりだったよ。
実走インプレ

試乗を開始してすぐわかった旧型スーパーレコードグループセットとの最も明らかな違いは、シフトレバーのエルゴノミクスが改良された点だね。
親指シフトを除けば(これについては後ほど詳しく説明する)、新しいエルゴパワーは以前のモデルよりも少し長く、細く、上部の突起がより控えめになってる。
結果シマノのデュラエース Di2 R9200や、SRAMのRED AXSとかと似た形状になり、手の快適性において分かりやすい進化を遂げてるよ。
ただし、サムシフターについてはそれほど気に入らなかったね。

グループセットのテスト前に、ハンドルのドロップ部分から操作するのが難しいかもしれないと心配していたんだけど、実際には逆だった。
延長された部分があるんだけど、ドロップ部分を握ってる時には、スプリントの時と同様に操作しやすい設計になってる。

なんだけどブラケットから操作する際は位置が後ろすぎて、毎回意識的にちょっと手を動かす必要があるんだ。
僕がシフトでもやってるのに気づいたカンパニョーロのスタッフは、シフターの底部を指で押すのを試すよう提案してくれた。
だけど、これもあんまり良くなかった。
僕の指はそんなに長くないもんで、サムシフタ―は下方向にしか押せない(余談だけど、Campagnoloは開発段階でサムシフタ―をロッカースイッチとしてテストしたこともあったらしい、プロ選手がスプリント中に誤シフトが多発するって言ったんで却下された)。
で、結局どうしたかっていうと、一旦止まったタイミングでスマートボタンを変速に割り当てたんだ。

左側のボタンをフロントディレイラーの「トグル」に設定し(使用しているチェーンリングに応じてフロントシフトを上下に切り替える)、右側のボタンをリアのシフトダウンに設定し、疑似的にサムシフタ―みたいにしたんだ。
これにでシフトの問題は解決されたよ – スマートボタンはブラケット部分から操作しやすく配置されてるんだ – でも、折角のサムシフタ―はスプリント専用レバーみたいになっちゃったし、スマートボタンでサイクルコンピュータを操作できなくなっちゃった。
変速について話をすると、スーパーレコード13は驚くほど洗練されてると感じるよ。

リアの変速は前作のSuper Record Wirelessよりも明らかに速く、静かで、シフトの感触と音は機械的なカチッという音ではなく、より繊細なサクッとした感じなんだ。
これはCampagnoloの伝統的な、フィードバックの強いシフトスタイルからの転換を表してるんだと思う。
昔からのファンとか、すべての人にとって歓迎されるニュースではないかもしれないんだけど、競合他社と同等の速さと滑らかさを実現してるって点で言えば、大きなメリットだよ。
フロントのシフトも全体的に優秀だったけど、ライドの終盤で1回だけオーバーシフトが発生して、チェーンがアウターチェーンリングの外側に飛び出ちゃった。

これはリミット調整の問題ではなく、僕のミスかもしれない。
なぜなら、ヒルクライムのてっぺんをゆる~くペダリングしてた時だったから、シフトのタイミングを誤った可能性がある。
ま、時間が経てばわかるだろうね。
いずれにせよ、チェーンを再装着することで問題は解決したし、その後も再発しなかった。
リアに13段のギアがあることは、12段と比べて特に気にならないかもしれないけど、ワイドレンジ且つギア比の飛びが少ないのは良く分かった。
ドライブトレインはアウター/トップ以外の組み合わせではささやき声のような静かさでした(アウター/トップもうるさいわけじゃないよ、念のため)。
また、ブレーキレバー後部にある下側の鋭いエッジが消えたこともすごいいいニュースだった。
他の部分は非常に馴染み深いものであんまり変わった部分はないかもしれない。
旧モデルの大きな不満点と言えばそこだったからね。

クランク、ブレーキ、ローターは前世代とほぼ変更ないけど、それが悪いことじゃない – 油圧ディスクブレーキは依然として最高峰の性能を誇り、カーボンファイバー製クランクはこれまで通り剛性が高く、軽量で美しいままなんだからね。
まとめ
限られた時間しか試すことができなかったけど、率直にカンパニョーロ スーパーレコード 13には感銘を受けた。
思ってた通り、13速になったからと言って、12速ドライブトレインと比較して革命的な変化じゃなかったんだけど、競合他社との差別化ポイントとして「あると便利な機能」と言えるね。
それ以上にスーパーレコード13は、スーパーレコードワイヤレスと比較して、エルゴノミクスと変速性能の面で明確な進化を遂げているんだ。
まぁ、サムシフタ―は今のところ僕の好みじゃなかったけど、他の人は気に入るかも。
いずれにせよ、スマートボタンとかのカスタマイズオプションを活用して快適な変速設定を見つけるこことが出来たしね。
そんなことよりも重要なのは、より速く、そして静かな変速が、前世代と比較して大きな進化を遂げているってところかな。
それからスーパーレコード13は競争力のある価格帯を実現したことも特筆すべきだね。
カンパニョーロがコンポーネントの80%をイタリアで製造していると考えると、これは驚異的だよ。
なんで値段がそんなに大事かって聞かれると、完成車メーカーでの採用を左右するからなんだ。
実際のところ、Super Record Wirelessは高価すぎて完成車に搭載されることが全然なかった。
完成車メーカーがSuper Record 13を、Dura-Ace Di2やRed AXSを搭載したバイクと同等の価格帯のバイクに搭載できるようになれば、ハイエンドバイクを購入するライダーは難しい選択を迫られることだろうね。
Bikerumorのインプレ
実走インプレ

まず、グループセットは軽い、これだけは言えます。
まだ実際に重量を測定する機会はありませんでしたが、カンパニョーロの主張を疑う理由はありません。
新しいグループセットとBora Ultra WTO 45mmホイールを装着したS-Works Tarmac SL8は、間違いなく軽量で、私の重い体では考えられないほど、坂道を早く登ることができました。
新しいリアディレイラーは、以前のモデルよりも30%以上速くシフトします。

カンパニョーロは、これが市場で最も速い電子式ロードバイクグループセットだと主張していて、実際に乗ってみるとその主張は確かだと思えます。
現代の電子コンポーネントはほぼすべてが瞬時のシフトを実現していますが、改善されたシフトレバーのエルゴノミクスと組み合わせることで、この新しいカンパニョーロ・スーパーレコード13は、私が使ったことのあるコンポの中で最も速いと感じられます。
新しいレバーとエルゴパワーのボディのエルゴノミクスも素晴らしいです。
ブラケットの先端が短くなり、ブラケットのトップが平らになり、ボディが薄くなったことで、以前のカンパニョーロ・スーパーレコード世代よりも快適です。
同時に、その平らなトップはバーとのつなぎ目がより滑らかで柔軟になり、手を快適に休ませられる場所が増えたことを意味します。
さらに、ブレーキレバーのピボットポイントがハンドルバーから少し離れた位置に移動し(レバーのリーチはそのまま)、レバーブレードの底部に小さなシフトボタンが1つだけ配置されたため、ブラケット部分を握れるスペースが大幅に増えました。
これにより、ブラケット部分での乗り心地が格段に快適になり、同時にコントロール性も向上しています。
おなじみの「サムシフタ―」のエルゴノミクス
新しいCampagnolo Super Record 13グループセットは、クラシックなカンパニョーロの「One Lever, One Action」システムに戻っています。
新しいシフトメカニズムは、SR WRL 12の複雑なメカニズムに比べてはるかにシンプルで、ブレーキレバーの後ろに一本のシンプルなカーボンシフトレバーが配置されています。
穴のあけられたデザインは、少ない移動量でスムーズなシフトを実現してくれます。
また、ブラケットやドロップからシフトをするのも簡単です。

Campyマニアは喜ぶでしょう。
やったぜ! サムシフタ―が帰ってきました。
新しいカンパニョーロ・スーパーレコード13の親指シフトボタンは、ハンドルのドロップ部から操作しやすいようにやや延長されたパドルを採用しています。
同時に、これまでのカンパニョーロの親指シフト(機械式・電子式を問わず)と比べて、はるかに低プロファイルなデザインとなっています。
また、ブラケットで走行中でも親指で簡単に操作できます。
さらに、上の写真でもわかるように、ブラケット部分がスリムなので、中指や薬指でサムシフターを操作することも可能です。
私はカンパニョーロのサムシフターに慣れているため、シフト操作は主に親指で行っていました。
しかし、ダンシングで急なコーナーをジグザグに登る際、ブラケットから手を離さずに薬指ででより重いギアにシフトすることができました。
親指での操作に慣れているため最初は違和感がありましたが、すぐに、ホーンの上部から親指を離すために体重を少し移動させるよりも、この方法の方が好みだと気づきました。
スマートボタンがイカす

しかし、ここでの最大の変更点はブラケットフードの内側上部にある新しいプログラム可能なスマートボタンです。
AXSとDi2の上位モデルと同様に、これらのボタンはブラケットフードを握ったままシフトする別の選択肢を提供してくれます。
しかし、Campagnolo Super Record 13のスマートボタンは、私が使った中で最も優れたものです。
ハンドルバーのゴムカバーの切り欠きから突き出たCampyボタンは、位置が適切なのはもちろん、非常に滑らかです。
一押しでシフトするシンプルな機能や、短押しと長押しで異なるシフト結果を生むマルチシフト機能に設定可能です。
さらに、直接Bluetoothデバイスを制御するペアリングも可能なんです!
私はシンプルなモードで走行し、右のスマートボタンでカセットを重いギアにシフトアップし、左のスマートボタンで軽いギアにシフトアダウンしました。
さらに、どちらかのボタンを長押しすることでフロントディレイラーのシフトもプログラム可能です。
さらに、各Ergopowerには実質的に4つ目のコントロールボタンも搭載されています。
親指シフトのすぐ前にあるモードボタンは、設定や調整モードの管理だけでなく、 GarminやWahooのコンピュータとペアリングすると、スマートボタンから追加の機能を求めることなく、GPSデバイスや接続されたアクセサリーを制御できます。
カスタマイズする必要もありませんでした。
新しいCampy Super Record 13グループセットをWahoo Boltとペアリングするだけで、デフォルトのページスクロール制御が自動的に機能しました。
アプリで制御できるカスタマイズシフトがすごい
実際、これらのスマートボタンは、伝統的なカンパニョーロの親指シフトのエルゴノミクスに迷っている人にとって、ゲームチェンジャーとなるでしょう。
スマートボタンとMyCampyアプリを使用すれば、自転車を好みの方法でシフトさせることができます。

結局、このシンプルなアプリベースのシフトカスタマイズと、新世代のSuper Record 13グループセットにおける全体的なハンドポジションの改善が、前世代を凌駕する性能を実現しています。

さらに、レバーのエルゴノミクスの向上、より迅速なシフトチェンジ、そしてほぼ変更のない優れたディスクブレーキ性能を加えると、これは本当に、Campagnoloがこれまで生産したどのグループセットよりも優れたロードバイク用グループセットと言えます。
新しいハイエンドコンポ

この全く新しいCampy Super Record 13は、Campagnoloが依然としてShimanoやSRAMのハイエンドと肩を並べるトップクラスのコンポーネントを生産できることを明確に示しています。
個人的には、既存の12段に挟まれた追加のギアは不要だったかもしれません。
しかし、カンパニョーロが13段変速でより滑らかなギアチェンジとギア間のギャップの低減を実現したことは否定できません。
チェーンとカセットの新しいブラッククローム仕上げは、走行中にドライブトレインの音を静かにし、摩擦も同時に軽減しているようです。
そして、Super Record 13は実に75g軽量化され、Shimano Dura-Ace Di2やSRAM Red AXSのグループセットの約2.5kgという総重量よりもわずかに軽量化されています。
私たちは皆、重量に敏感な人間なので、軽量化は常に良いものですよね?
ほとんどメイドインヨーロッパなのもすごい

最後に、新しいCampy Super Record 13が主にEUで製造されている点も評価しています。
イタリアの1工場とルーマニアの2工場が、新コンポの個々の部品の80%以上を製造しています。
また、シリコンチップ、スイッチ、モーター、バッテリーなどの電子部品は、その製造技術が存在するアジアの工場に外注しています。
私は、イタリアのヴィチェンツァにあるカンパニョーロの本社工場で、珍しい機会を得て内部を見学しました。
鋼がチェーンやカセットに、アルミニウムがリムやボトムブラケット、クランクセットのインサートに、カーボンファイバーのロールがディレイラーケージやレバー、クランクセットに加工される様子を目撃しました。
現在、カンパニョーロと協力して、工場内部で何を見せられるか、技術的な機密を漏らさない範囲で検討中です。
お楽しみに、キット興味深い内容になるでしょう。
カンパニョーロの象徴的なダークグレーの工場の扉の向こうで何が起こっているか、多くのことを明らかにします。
カンパニョーロはどこへ向かうのか
カンパニョーロは現在、従来の2xロードバイク用にSuper Record 13を販売しています。
しかし、これは新しいプラットフォームの始まりに過ぎません。
まず、タイムトライアル仕様が控えています – これは1x仕様にワイヤレスリモートTTシフターが採用されることを意味します。
それからグラベルレース仕様も控えています – これは2xおよびおそらく1xに対応したクラッチ付きスーパーレコード13ディレイラーが採用されることを意味します。
残る疑問は、その間の展開と、それがいつになるかです。
私たちはまだ1xのスーパーレコード13ドライブトレインを実際に目にしたことはありません。
2xのみです。
しかし、ワンバイという選択はEkarでの機能的な成功から見ると自然な進化のように思えます。
グラベルでのラフな道路でのシンプルさとチェーン保持、またはロードやTTコースでの空力性能の向上など、いずれの場合もです。
いずれにせよ、Campyは今年中に新たなプラットフォームを充実させることを約束しており、次の「構成」は2025年9月から開始されます。
ヴィチェンツァのドライブトレインエンジニアが次に何をもたらすか、私たちは非常に楽しみにしています。
訳者まとめ:概ね高評価?
前回は結構な言われ方でしたが、今回は意外にも高評価です。
ある意味象徴ともいえる「サムシフター」の再登板は賛否こそあれ、好意的に受け止められています。
エルゴレバーが快適になったし、変速も速くなったってことでこれまでと違ってラグジュアリーさだけでなく性能の部分でも評価されてるのはいいことですね。
前回不評だったディレイラーの見た目については誰も触れていないのはあのデカいディレイラーに「見慣れた」ってのもあるのかもしれません。
今回のコレがカンパニョーロの復活の狼煙になるのかは今後の展開に期待です。