ドーフィネで目撃されていたメリダの新型スクルトゥーラがついに2022モデルとして正式に発表されたのでご紹介いたします。
メリダの新型スクルトゥーラと思しきバイクがドーフィネで目撃される、2022年モデルか!?
目次
メリダの新型スクルトゥーラ(第5世代)
メリダは、Scultura V Teamを発表しました。
メリダの軽量レーシングバイクの第5世代は、エアロダイナミクスを重視したデザインに変更され、フレーム重量は822gと羽のように軽く、タイヤクリアランスは30mmに拡大されています。
これは、6月のドーフィネで初めて目撃された新型です。
シマノのデュラエース発表に合わせて正式な発表となった次第です。
このバイクは、エアロダイナミクスを備えた軽量なクライミングバイクを探しているトップレベルのレーサーや、快適性を維持しながら高速でアグレッシブな走りをしたい人たちに向けたものです。
メリダは、このスクルトゥーラの最新モデルが、2020年7月に発売されたスクルトゥーラ エンデュランスとスクルトゥーラ チームシリーズをさらに差別化することを期待しています。
スクルトゥーラ エンデュランスがワイドタイヤのエンデュランスバイクであるのに対し、スクルトゥーラ チームはレースを視野に入れています。
実際、このバイクはすでにワールドツアーで勝利を収めており、今年のクリテリウム・デュ・ドーフィネではチーム・バーレーン・ビクトリアスのマーク・パドゥンとディラン・テューンスが2ステージを、また今年のブエルタ・ア・エスパーニャではダミアーノ・カルーソが山岳ステージの第9ステージを制しています。
エアロダイナミクスVS軽量性
エアロ形状を導入すると、通常は標準的な丸いチューブよりも重量が増加します。しかし、メリダはエアロ形状をフレームデザインに取り入れたにもかかわらず、新しいScultura Teamのフレーム重量を現行モデルよりも38g削減しました。
旧モデルのスクルトゥーラIVは、CF4カーボンフレームで860gという驚異的な軽さでした。
それに対して新しいSculturaは822g(フレームサイズM)とさらに軽量化されています(メリダ調べ)。
この軽量化のために、メリダはフレームのカーボンレイアップを再設計し、より高弾性の(そしてより高価な)カーボン繊維を導入しました。
メリダによれば、高価なパーツを使わなくても、UCIの制限値である6.8kgに簡単に到達できるとのことです。
軽量化されても、フルート型のディスクブレーキクーラーや、Merida Reacto V4の発売時に印象的だった合金削り出しのダイレクトマウント・リアディレイラーなど、メリダの特徴的なディテールはそのまま受け継がれています。
エアロダイナミクスの追及
新しいSculturaは、同社のエアロロードReactoからデザインを大きく引き継ぎ、前方投影面積を減らしています。
一方、全く新しいワンピースのメリダ・チームSL 1Pコックピットは、スクルトゥーラシリーズに初めて完全に統合されたケーブルルーティングをもたらしました。
近年、軽量バイクとエアロバイクの融合が進んでいますが、エアロバイクの影響を受けた他の特徴としては、新しい隠しシートクランプ、リアシートステイをシートチューブの下に落としたことなどが挙げられます。
これにより、Scultura Teamのシルエットは、Cannondale SuperSix EVOやSpecialized Tarmac SL7のようなバイクに匹敵するものになりました。
メリダによれば、現行のScultura Team IVに比べて「大幅な」空気抵抗の低減を実現しています。
以下にメリダのエアロデータを掲載しますが、メリダのテストによると、時速45kmでのドラッグは、Scultura IVの234.5ワットからScultura Vの224.5ワットに減少しました(ただし、前者は40mmディープ、後者は45mmディープのホイールを使用)。
60mmのエアロホイールを装着すれば、217.7ワットとさらに低減でき、エアロ効率の点ではReactoよりも10ワットの差にとどまります。
リムハイト | 重量 | 45㎞/hでの抵抗 | |||
Scultura Ⅳ(旧モデル) | 40mm | 6.9 | 234.5 | ||
Scultura V(新型) | 45mm | 6.7 | 224.5 | -4.20% | -10 |
Scultura V(新型) | 60mm | 7.2 | 217.7 | -3% | -6.8 |
Reacto IV | 60mm | 7.3 | 213.6 | -1.80% | -4.1 |
Reacto IV (チューブラー) | 60mm | 7.5 | 207.2 | -3% | -6.4 |
メリダTeam SL1P コックピット
メリダチームSL 1Pのコックピットは、スクルトゥーラの「ワイヤーポート」ヘッドセットと統合するように設計されており、すべてのケーブルをヘッドセット自体に直接通すことができます。
コックピットの重量は320gで、ケーブルやワイヤーを容易に通すための完全な内部ライナーが付属しているため、メカニックにも優しい設計になっているそうです。
バーの幅は40cmから44cm、ステムの長さは90mm~120mmが用意されています。
クランプ機構は「フォースディフューザー」と呼ばれ、ステアラーを包み込んでクランプ荷重を均等に分散させることで、フォークステアラーの疲労を防ぐように設計されています。
メリダ社による20万回以上のテスト(メリダ社によると、業界標準をはるかに超えているとのこと)を受けており、テスト後にマーキングや凹みの兆候は見られないかったそうです。
タイヤクリアランスの拡大によるさらなる快適性
快適性の向上は、フレームをより大きなボリュームのロードタイヤに対応させたことによります。
新しいTeamは、最大30mm幅のタイヤに対応するよう設計されており、出荷時には余裕のある28mm幅のContinental Grand Prix 5000チューブレスタイヤが装着されます。
メリダによると、新しいフレームは旧モデルよりも振動減衰性が向上しているとのことですが、これについてはテストバイクが到着するまで判断を保留しなければなりません。
最終的には、タイヤサイズがロードバイクの快適性に大きな影響を与えるため、それがここでの焦点となります。
Merida Scultura Team CF5 Dura-Ace Di2
メリダはこれまで、最上位機種であるScultura Team CF5 Dura-Ace Di2の詳細のみを発表してきましたが、ご想像のとおり、価格は7,750ポンド/9,999ユーロで、ワールドツアーにふさわしいバイクとなっています。
CF5のフレーム(822g)とCF5のフォーク(389g)に、新しいパワーメーターを搭載した新しいシマノ・デュラエースR9200 12速Di2グループセットを組み合わせました。
Merida Scultura Team CF5 Dura-Ace Di2は、Visionの新製品Metron 45 SLチューブレスカーボンディスクホイール、新しいMerida Team SL 1Pコックピット、Prologo Scratch M5カーボンサドル、Continental Grand Prix 5000 Tubeless 28mmタイヤを装備しています。
本日発売されるのはチームバイクのみですが、メリダは年末までにさらに多くのモデルを発表するとしています。
まとめ:エアロオールラウンダーがまた一台
エアロロード戦国時代はそれほど懐かしいわけではありませんが、気が付けば猫も杓子もエアロオールラウンダーになってます。
新しいデュラエース&アルテグラがディスクブレーキ仕様でもろもろ込みでもあの重量なので、今後ますますこの傾向には拍車がかかりそう……
いやでもそれならもっとエアロなバイクに新型コンポで6.8㎏を目指すのが得策では……と金欠の小生は思ってしまいますが、今後も技術革新から目が離せません。
新型アルテDi2買って、残ったアルテからシクロクロス生やしてぇな……