サーヴェロ「S5」を組み始めてから1か月と半……ようやく完成しました!
いや~ここまでが実に長かった……実は車体自体の完成は2週間くらい前で、そこから点検に出したり、最後にそろってなかったペダルの到着と取り付けで気が付いたら1月も半ばを過ぎての完成と相成りました。
点検の結果として、ワイヤーの出口が一つおかしかっただけで、他はブリーディング含めて問題はなかった、とのことで安心しました。
というわけで早速紹介に移りやしょう。
小生の「S5」パーツ構成
フレーム……Cervelo「S5」2020年モデル、51サイズ 実測重量1063g(前後ディレイラーハンガーおよびRATアクスル軸受、ボトルケージねじ4本含む)
フォーク……Cervelo「S5」2020年モデル、51サイズ 実測重量385g(RATアクスル軸受含む)
フォークトッパー……79g
ヘッドセット……与圧用の金具が23g、ダストカバーが1g、上のベアリングが17gの下のベアリングが25gで合計67g
ステム……Cervelo「C028」120㎜ 実測重量138g
ハンドル……Cervelo「AB08」40㎝ 実測重量268g
シートポスト……Cervelo「SP20」セットバック0 カット前の実測重量223g(ヤグラ込み)
シートポストクランプ……42g
サドル……EC90 中華パワーサドル 実測重量112g
STI……ST-R8020左右、右実測重量283g、左実測重量277g、トータル559g
フロントディレイラー……FDーR8000 実測重量91g
リアディレイラー……RDーR8000(SS)+TOKEN「Shuriken」 実測重量201g
クランク……FCーR8000(52-36t)実測重量694g
スプロケット……CSR8000(11-32t)実測重量133g
チェーン……CN900(116L+クイックリンク)実測重量なし、参考重量257g
ボトムブラケット……Wishbone「BPF3024」実測重量130g
ディスクブレーキ……BRーR8070 前後で256g(参考重量)
ブレーキローター……SMRTー800 フロント160㎜実測重量123g リア140㎜106g
RATスルーアクスル……フロント実測重量56gリア実測重量68g
ホイール……Prime「BlackEdition50DISC」フロント実測重量681g、リア実測重量829g、ペアで1510g(リムテープ込み)
チューブ……Tubolite「TuboRoad」バルブ長60㎜ 実測重量40g ペアで80g
タイヤ……コンチネンタル「GP5000」25c 実測重量なし参考重量220g、ペアで440g
チェーンキャッチャー……15g
バーテープ……Fizik「VENTO microtex Tacky」片側49g、ペアで98g
ペダル……TIME XPRO10 片側114g、ペアで228g
ワイヤー&オイル類……実測値なし、パーツの処理前と処理後の重量差分ぐらいだろうと推測して計算する。
というわけで、一部参考重量ですが、フルアルテグラで重量は単純計算で7416gくらい、ワイヤー類とオイル、それから細かいボルトなどがもう少し入るので、実際は7㎏台中盤といったところだと思います。
思っていたよりもはるかに軽く仕上がりました。もっと重いもんだと思ってました。おそらく先代のセンプレより軽く仕上がっています。
ファーストインプレッション
テストはいつも走っている横須賀~三浦までで往復50㎞ほど、強風注意報が発令されていた一日のことになります。
自慢じゃありませんが、小生はロードバイクに関しては「下手の横好き」という感じで滅茶苦茶好きだけど、トレーニングは嫌い、みたいな感じですので、FTPは以前よりは上がりましたが、それでもギリギリ2.5W/㎏ないくらいの低脚です。そこんところをご了承いただければと思います。
加速性能
リムハイトも高いし、全体的に重めに見えますが、剛性の高さと駆動系パーツへのこだわりから、クランクがストンと下に落ちるような感覚でスルスルと加速していきます。
ゼロ発進……センプレの場合はダンシングでパワーを稼がないと5秒で30㎞/hまで加速するのが難しかったのですが、S5だとシッティングでも余裕で伸びます。
35㎞/h~……センプレだとこの辺から大分パワーがいる感じがありましたが、S5だとそんなにパワーかけなくても伸びました。ケイデンスの調整で済ませられる感じです。
40㎞/h~……小生自体のパワーが高くない上、シェイクダウン時は強風&渋滞でそこまでスピードが出せる機会がありませんでしたが、本当によく伸びると思います。
加速はリニアで大人しめですが、もっとパワーをかければ爆発的に伸びそうな気がします。今度MAXまでパワーをかけてみようと思います、1000Wちょいですが。
巡行性能
これは本当にすごいと思います。元が10年前の設計のセンプレなので比較対象が悪すぎるのかもしれませんが、もう全く別物です。
フレームの素性がいいのか、とにかく脚がスルスルときれいに回ります。回りすぎてびっくりします。
そのおかげでそれほどパワーを使わなくても巡行できるので恐ろしいです。
心拍数の上昇が緩やかで、海岸沿いの道に出るまでのウォーミングアップがウォーミングアップになりませんでした。
高速域に入っても、滑走するような不思議な感覚と圧倒的なまでの安定性で静かだけど圧倒的なスピード感をもって巡行できました。
はじめてロードで普通に走っていて「怖い」と思いました(心霊体験を除く)。
登坂性能
S5に乗ったからと言って、いきなりマルク・ヒルシのようにパンチ力のあるクライムをこなせるようにはなりませんが、外見の重さに反して、登坂性能は高いと思います。
剛性の高さからケイデンスが落ちにくいため、一定ペースでの登坂向きにはうってつけの性能があります。
体重の軽いクライマーには向かないと思いますが、標準体型~重めの比較的幅広いレンジの人であれば、平均以上に「登る」フレームだと思います。
山も坂も嫌いで仕方ありませんが、このS5なら山も坂も登ってみたい、そう思わせてくれるフレームでした。
剛性感
数値上の剛性は歴代S5史上最高のはずですが、その硬さを苦に思わなくていいです。確かに縦にも横にも硬いには硬いのですが、それがゴリゴリと脚を削る感じではありません。
跳ね返されるような硬さを感じようと思うと、それなりのパワーをかけないといけません。
ただ、硬さを感じるラインまでパワーを上げると、バイク自体の挙動が別次元になります。
グワーッと一気に車体自体が前に押し出される感じです。
流石この辺はサーヴェロのエンジニアたちの努力の結晶だと思います。
小生のような低脚でも脚を残せる普段の状態から(それでも滅茶苦茶速い)、一気にスプリントウェポンへと豹変する感じは驚嘆に値します。
快適性
センプレが縦に硬くて横がふにゃちんでロードフィーリングを必要以上に伝えてくる快適性皆無のフレームだったこともあってか、S5は突き上げもロードノイズも含めて非常にマイルドで、快適な印象でした。
S5の絶対的な快適性はレーシングバイクの中では標準かちょっといいくらいのものだと思うのですが、S5は「安定感」「スタビリティ」がものすごく高いです。
BBハイトがかなり下げられていることもありますが、バイク自体が地面に吸い付きます。それもあって突き上げられる感じも少なく、快適に感じられたのだと考えています。
ペダリングフィール
「安定感」もそうなのですが、このS5はあんだけヤヴァイ見た目をしておきながら、ペダリングフィールがものすごく上質です。
駆動系カスタムの恩恵だと思いたいところですが、フレームの素性の部分の方が明らかに大きいです。
ケイデンスを上げても下げても、しっとりとなめらかなフィーリングで走れます。割と大人しめな感じです。
ただ先述の通りパワーをかけるとそれには応えようとしてくれるフレームです。
女の子に例えると「ガード硬くてちょっと無理目だけどワンチャン感じるタイプの子」
「ちょっと何言ってるかわからない」とか「ヤクでもやってんのか」とか言われそうですが、女の子に例えるとまさにこんな感じです。
何と言ったらいいのか……高嶺の花で絶対に手の届かなくて、その辺のダサ坊なんか相手にしないって感じの子じゃないんですよ、絶対。
スーパーシックスエボとかは小生の中ではこっちよりです、乗りやすくはあるんですけどね。
「は? 貧脚とは口ききたくないんですけど」みたいな(笑)
対してS5 は
滅茶苦茶可愛いけど、基本優しいからダサ坊とでも仲良くしてくれて、みんなから好かれるタイプ。でも、ガード硬いイメージがあって、そういう雰囲気になるにはもっと仲良くなる必要があって、基本的に彼氏がいない(と、思われているだけで他校のイケメンか大学生と付き合っている場合がほとんど)から、俺でも努力したらワンチャンあるんじゃないか、と思わせてくれる女の子って感じの自転車です。積極的に努力したいと思わせてくれます。
付き合うためならなんでもやったろうやないかい! と思います。
小生の一番好きなタイプです。
総評:見た目に反して扱いやすい……けど、真価を発揮するにはそれなりの修練を要する。
乗って驚きましたが、滅茶苦茶扱いやすいです。
ハイエンドバイクはスーパーシックスエボしか乗ったことありませんが、あれは結構キツかったです。
20㎞程度の試乗なのに家帰ったらバキバキに足を削られてる、みたいな感じでした。
そのイメージが強かったこともあるとは思うんですが、すごくナチュラルに乗りこなせます。
ポジションを元のバイクとミリ単位で合わせたのもありますが、移行が非常にスムーズで、速すぎるから挙動に慣れるまでには時間がかかりますが、走ることに関してはそこまで気を遣う必要がありません。
ただやっぱり、本当に「乗りこなす」と言うためにはもっと修練が必要です。